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VCスペシャルセミナー:Yahoo!JAPANの検索動向から考えるスマートフォン対策の重要性とサイト集客のポイント

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バリューコマースが、2012年9月7日に大手町サンケイプラザにて開催した「VCスペシャルセミナー」において、Yahoo!JAPANのマーケティングソリューションカンパニー事業推進部マーケティングコミュニケーション部山口有希子氏によって「Yahoo!JAPANの検索動向から考えるスマートフォン対策の重要性とサイト集客のポイント」と題したセミナーが行われました。(写真撮影は可能でしたが、公開は禁止と説明があったため写真はありません)

山口氏は、日本におけるスマートフォンの普及率は20数パーセントといわれていて、そのうちiPhoneは46%、Androidは54%というデータがあるそうです。朝の通勤ラッシュよりも早く電車に乗ってみたところ、乗っていた電車内で新聞を4つ折にして読んでいたのは2人で、その他に、電車内でフューチャーホンを見ていたのは10名、スマートフォンが8名だったそうで、日常の1シーンを見ただけでもスマートフォンが普及していると感じると話してました。

Yahoo!JAPANは2012円4月1日より第二の創業と位置づけ、新体制に移行し「スマホファースト」を掲げ、16年間PCに特化して色々と施策を行ってきたが、スマートフォン向けを重要視するようになり、Yahoo!インターネット クリエイティブアワードもスマートフォンを対象にするようになった。なぜ、そうなったのかについて説明すると切り出しました。


日本市場に置けるスマートフォン契約者数は2010年が9%、2011年が23%で、2016年には67%と予測されていて、アメリカは来年70%になるといわれているそうです。世界で見てみると、現時点で、シンガポールは74%で、香港、アラブ首長国連邦の順で普及が進んでおり、加速度的にスマートフォン普及が進んでいると説明しました。

ここからYahoo!JAPANの調査による内容として説明が行われ、フィーチャーフォンからスマートフォンに乗り換えたユーザーは約65%で、ページビュー推移で見ると、モバイル端末で比較すると、1日フィーチャーフォンからとスマートフォンとが逆転したのは「2012年3月」だということが分かっていて、ここがベンチマークだと思っている。Yahoo!JAPANの月の平均ユニーク数が2.5億、1日のページビュー数が平均15億ページビュー数があり、日本のインターネットユーザーの傾向が分かるため、この2012年3月が転機だといえると話してました。またデバイス別利用者数で見た場合、パソコンが微増でフィーチャーフォンがマイナス成長、スマートフォンが急激に伸びていると説明しました。

次に2008年9月から2012年3月までの間に四半期毎にスマートフォンからのページビュー統計をとると、160倍になっていると話し、サービス別では、オークションは70倍、検索は300倍、知恵袋は1150倍、ショッピングは4600倍の伸びていると説明し、ショッピングに関しては2011年からの伸びで、ショッピングに関して注目するべきサービスだと言えると説明しました。

今までのパソコンからのインターネット接触時間は、空いた時間に利用していたという傾向だったが、スマートフォンの登場で、朝起きてから寝るまでの全場面でインターネットに接触する状況に変わった。Yahoo!JAPANは新しい指標として、1日あたりの利用ブラウザ数「DUB」(Daily Unique Browser)を全社的に重要視していると話し、デバイスの多様化、利用シーンの多様化、サービスの多様化をきちんとカウント出来なければならないと考えて取り組んでいると説明していました。

次に、デバイス別ユーザー属性比較について、パソコンでは男性64%、女性36%、iPadでは男性61%、女性39%でPC/iPadは男性の利用者が多く、フィーチャーフォンは男性45%、女性55%、iPhoneは男性49%、女性51%、Androidは男性57%、女性43%となり、女性がiPhoneを選ぶ率が高く、女性がiPhoneを選んだ理由の1つとして「アクセサリーが充実しているから」という回答があり、iPhoneとAndroidでアクセサリーを検索してみると、検索結果数が大幅に違い「デコりたい、可愛くしたい」といったニーズがあって、そういったニーズを叶えてくれるアクセサリーは、iPhoneの方が圧倒的に多いと説明していました。

デバイスの年代別を調べてみると、パソコンは30代、40代が多く、続いて20代といった感じとなり、iPadは30代が多い、フィーチャーフォンは30代、20代が多く、iPhoneは20代が多い、Androidは30代が多いといった結果となり、iPhoneとAndroidと比較した場合、iPhoneのユーザー層が若いということが分かると説明していました。なお、アメリカでは、34歳以下の利用者数で比較すると、Androidが50%近くを占め、国によって傾向が違うそうです。

続いて、Yahoo!JAPANの検索を1分刻みでグラフ統計化してみたところ、PCは平日昼間の時間で利用する傾向が多く、ピーク時間は「16:54」、iPadでは夕方から深夜にかけて急激に上昇し、ピーク時間は「22:48」、フィーチャーフォンは朝から上昇し、深夜に向かって上昇し続け、ピーク時間は「22:48」、それに加えてランチタイムに上昇する傾向があるそうです。iPhoneはフィーチャーフォンと同じ傾向にあり、ランチタイムに瞬間的な山ができ、深夜に向かって上昇し続けるが、ピーク時間が「23:12」とさらに遅くなり、寝る直前のベットにまで持ち込んで利用しているユーザーが多い事が分かると説明していました。AndroidもiPhoneのピーク時間を含めて同じだが、ランチタイムのピークの山がiPhoneよりも高いのは、利用世代が違う事によるものだと考えられ、これらを踏まえてキャンペーンを考えた方が良いと話してました。

スマートフォンにおける検索カテゴリー男女の違いについて説明し、男性は「時事ニュース」「天気予報」「商品情報」、女性は「人名」「店舗情報」「商品情報」で、共通しているのは「商品情報」ということから、一番スマートフォンで検索されているのは「商品情報検索」だといえると説明していました。パソコンにおける1回あたりのショッピング購入金額は約1万円で、スマートフォンの場合だと約7000円となり、結構購入金額が想像よりも高いと話していました。スマートフォンのSNS利用率は50%以上で、Facebookで友達のタイムラインを見ていて、友達が購入した商品情報を読んでいて自分も買ってしまったという人は少なくないと思うと話していました。

スマートフォン最適化の重要性について、Yahoo!JAPANのサイト自体について、スマートフォンに最適化しているページとしていないページを比較すると、どちらが使いやすいかは一目瞭然で、Yahoo!JAPANは非常に多くのアクセスがあるため、ユーザーの利用動向を見ながらWeb開発チームが真剣に1ピクセル単位で調査研究しながら開発を行っているそうです。

パソコンサイトをスマートフォンへの最適化を行うと、メリットとして「サイト滞在時間が伸びる」傾向にあるそうで、逆にフィーチャーフォンに最適化したサイトに誘導すると、サイト滞在時間は短くなる傾向があると説明していました。

検索結果からスマートフォンに最適化されていないサイトに飛ばされた時、どのような行動をとるか?というアンケート(回答数1438人)を行ったところ、情報を得られるまでサイトに滞在すると回答したのが52.0%、短時間閲覧して、検索結果ページに戻るが29.3%、すぐに検索結果ページに戻るが16.1%という結果になり、最適化しないことによって、約半数近くはサイトから短時間で戻ってしまうため「機会損失」になると言えると説明していました。

スマートフォンでサイトを閲覧する際、スマートフォン最適化されているサイトとされていないサイトを比べた場合のメリットについて調査(回答数2064人)を行ったところ「文字や画像、ボタンなどがが見やすい」が47.4%、「簡単に操作できる」が42.8%で、3番目の「データを読み込みするのが早い」が31.5%というのが重要で、インターネット通信状況が3G回線で、パソコンのインターネット通信環境よりも遅く、安定した通信環境が得られない場合もあるため、データを軽くして読み込み速度を上げるというのは重要なポイントだと説明していました。また、プルダウンやラジオボタンなどが各機能の使い勝手が良い、情報が探しやすいなども上げており、ユーザーは「使いやすくて表示が早いサイトを望んでいる」と説明していました。

Yahoo!JAPANのリスティング広告(検索連動型広告)や、インタレストマッチング広告(興味関心連動型広告)などを使っている広告主を対象に調査を行ったところ、スマートフォンサイトを持っていると広告効果が高くなり、コンバージョン率が3.6倍上がり、CPA(顧客獲得単価)は3分の1に下がるという数字も出ていると説明していました。

スマートフォン事例として、ウェディング関係の企業が、パソコンからの獲得者数が伸び悩んでいて、ライバル企業がスマートフォンの最適化を行っていたので、自社もスマートフォンの最適化を行ったところ、コンバージョンが3倍、CPAが30%減になったと話していたそうです。

また、ジュエリー販売のオンラインショップがスマートフォンへの最適化を行ったところ、CPAが大幅に改善し、4000円が3400円となり600円の改善があったと具体的な金額を話してくれたそうです。

スマートフォン最適化の進行状況について、今回行った最適化調査の定義として「コンテンツが1カラムに。文字を拡大せずに閲覧可能」とし、Yahoo!JAPANのリスティング広告を使用している広告主の中で、iPhoneに最適化しているのは、3月で45.7%だったのが、7月には53%に増えていることが分かり、Androidに最適化しているのは、3月で49.6%だったのが、7月には56.2%に増えていることが分かったそうです。また自然検索では、ランディングページの最適化率を調べてみると、3月は53.4%だったのが7月には57.2%に増えており、こちらも変わらないぐらい最適化率が上がっていることが分かると説明していました。

最適化が進むカテゴリーは「本・CD/DVD・チケット」(コミック、漫画、電子書籍)、「情報処理サービス」(無料ゲーム、着うた、絵文字)、「サービス系」(占い、心理テスト、姓名判断)が上げられるそうです。逆に最適化が進んでいないカテゴリーは、「娯楽、エンターテイメント、サービス」(花火大会、スカイツリー、富士山 登山)、「百貨店、通販、ショッピングモール」(お中元、出産祝い、誕生日プレゼント)、「各種教育サービス、大学等」(TOEIC、英検、韓国語、宅健)が上げられるそうです。

「スマートフォンユーザーの実態把握」「Webサイトの最適化」それだけでは不十分で、ユーザーとサイトを繋ぐ手段も重要だと説明し、Yahoo!リスティング広告の中で、広告文のスマートフォン最適化率はiPhoneが28.5%、Androidが30.4%と約30%台に留まり、それほど進んでいない事が分かると説明していました。

広告文のスマートフォン最適化とは「スマホ対応」「スマホで読める」「スマートフォン版」「iPhone専用」「Android対応」などで、「スマホ」という単語を入れる事で、クリック率は、「タイトル1.7倍」と上昇すると説明していました。

スマートフォンでもYahoo!リスティング広告における上位検索は必要か?について、画面フリックで下のページも見やすいが、掲載位置上位にあるとクリック率は9.8%、上位のクリック単価は1.08%であまり変わらないそうです。

スマートフォン市場は成長の過渡期で、変化への対応が必須で、ランディングページの最適化、デバイス特性に応じた集客、広告文の最適化などが重要だと話し、先行者利益が享受できるのは「今」だと話してセミナーは終了しました。



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