佐藤敦紀氏による「映画『シン・ゴジラ』を紡ぎあげるまで

佐藤敦紀氏による「映画『シン・ゴジラ』を紡ぎあげるまで

2016年9月2日に東京ビッグサイトにて「Adobe MAX Japan 2016」が開催され、GUEST SESSIONとして、TMA1 編集・VFXスーパーバイザーの佐藤敦紀氏による「映画『シン・ゴジラ』を紡ぎあげるまで」が行われました。


シン・ゴジラの編集作業については、2015年1月にオファーがあり、2015年8月から撮影開始、2015年10月に撮影終了、2016年夏公開ということがすでに決まった状態だったそうです。


シン・ゴジラ制作にあたっての課題として「PreVizを使用したプりプロダクション及びVFXワーク」と「監督が庵野秀明であること」の2つを解決する必要があり、結果的にVFXと編集を兼ねて作業を進める必要があったと説明していました。


編集ソフト選別の条件として「安定性・軽快な反応・使いやすさ」「ポスト・プロダクションとのコネクティング」「複数の人数が使うー>協調性・経済性」といったことが上げられると説明していました。

佐藤氏は、3年前まではFinal Cut Studioを使用していたそうですが、設計が古いという理由で、現在は使用しておらず、Avidのビデオソフトも熟知していたが、最終的に「Adobe Premiere Pro CC」に決定したそうです。


準備塙として、音声ライカ版Rushを作成し、時間の尺を計ってみたそうで、庵野監督は、これを元に脚本修正などを行ったそうです。

その後、音声ライカ版Rushに、画コンテ、PreViz制作、劇団演出部をはめ込み、PreViz版Rushを制作したと説明していました。


PreViz版Rush作成後、本番撮影、PostViz作業、VFX作業の後に本番Rushを完成させたそうです。


編集ネットワークを介して、MacProのメイン編集機に、iMacを2台、Mac miniなどをネットワーク接続し、編集助手によるグループ編集を行ったと説明しました。

このiMacはAppleから借りたもので、Mac miniは佐藤氏の私物だそうです。


佐藤氏は、Adobe Premiere Pro CC による編集画面を見せ、作業も軽く、とても編集作業がしやすかったと紹介していました。


ある程度の編集作業が終わった段階で、東宝のPictureElement server、khara編集室、白組 VFX-Studioの3ヶ所の編集作業現場をIPv6とPECloudによる完全同期を行い、監督VFXチェックと編集をボーダレス化したと説明していました。

庵野監督から「1mm単位で編集指示が出る」ため、それを実現するためにも必要だったそうです。


佐藤氏は、映画製作の「過去の常識」だけでは産まれることは無かったと説明していました。


その後、記者インタビューが行われ、佐藤氏は、映画業界はAvidメインの状況で、Avidツールは業界プロ向けに特化されているが、書き出しフォーマットを共通化するなどの制約があるのに対して、Adobe Premiere Pro CCは、フォーマットに自由度があり、庵野監督のような修正編集指示が多い現場では、Adobe Premiere Pro CCで良かったと説明していました。


撮影現場では、ARRI ALEXAを3台、Canon XC10を3台、iPhone 6s Plusは4K撮影で、これらを常に使った撮影が行われていたそうです。

こうなると、シネカムとiPhone 6s Plus動画との色調整が必要になるわけですが、それについて質問したところ、庵野監督は、リアリティを求めていたため、敢えてカラーグレーディングを極力行わずに編集作業を行ったそうで、最終的に若干ARRI ALEXAよりに調整したと説明していました。


名古屋学芸大学で、同じ非常勤講師を勤める斎賀教授が、Adobe Premiere Pro CCのネットワーク作業において問題は無かったのか?と質問すると、Adobe Premiere Pro CCは、フォーマットに関して汎用であるがゆえに、ネットワーク越しでの作業パフォーマンスに問題は無かったと説明していました。


また、Rush撮影時から、iPhone 6s Plusによる4K撮影を行っていたそうですが「iPhone 6s Plusの4K動画映像は凄い」と思ったそうです。

IMAX版は、2Kマスターデーターを元に、IMAXにコンバートして上映しているため、レターボックス上映となり、もし時間に余裕があれば、IMAX完全版として編集することも出来たのでは?と質問したところ、庵野監督が、元々IMAX版を意識していなかったのでは?と感想を述べてました。


佐藤敦紀氏

佐藤敦紀氏

その後、色々と脱線しながら質疑応答は進み、最後に斎賀教授が「ディレクターズカット版とかありますか?」と質問したところ、いくつかの修正編集の依頼はあるが、それが何目的なのかは分からないと回答していました。



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