Appleは、ボストン大学クエストロム経営大学院のアンドレイ・フラドキン教授とアナリシス・グループのエコノミスト、ジェシカ・バーリー博士による調査（PDF）に基づき、2024年にはアメリカのApp Storeエコシステムが開発者への請求額と売上高を4,060億ドル増加させたと発表しています。

注目すべきは、App Storeが促進した請求額と売上高の90%以上において、開発者はAppleに一切の手数料を支払っていないことです。

過去5年間で、App Storeエコシステムの規模は2019年の1,420億ドルから昨年は4,060億ドルへとほぼ3倍に拡大し、米国を拠点とする開発者の収益も2倍以上に増加し、特に小規模開発者は、2021年から2024年の間に収益が76%増加するなど、非常に好調な業績を上げたと説明しています。

Tim Cook CEOは「15年以上にわたり、App Storeはアプリ開発者、起業家、そしてあらゆる規模の企業に素晴らしい機会を提供してきました。そこには、App Storeで革新を起こし、ビジネスを構築し、大きな成功を収めている多くの米国の開発者も含まれます。私たちは、米国および世界中の開発者がアプリを新たな高みへと導き、ユーザーに革新的な体験を提供できるよう、強力なツール、テクノロジー、そしてリソースへの投資を継続していきます。」と述べています。

2008年のサービス開始以来、App Storeは開発者にとって大きなビジネスチャンスとなっていて、今回の調査では、2024年にはApp Storeエコシステムによる物理的な商品・サービスからの請求額と売上高が合計2,770億ドル、アプリ内広告が750億ドル、デジタル商品・サービスが530億ドルに達すると予測されているそうです。

主な牽引役としては、食品・食料品の配達、エンターテインメント、エンタープライズアプリの成長が挙げられます。また、App Storeは引き続きイノベーションの世界的な発信地であり、AIを活用したアプリがユーザーの日常生活をますます豊かにしていると説明しています。

2019年以降、物理的な商品・サービスへの支出は3倍以上に増加し、デジタル商品・サービスとアプリ内広告へのアプリ内支出は2倍以上に増加し、物理的な商品・サービス分野では、一般小売業の支出と食料品の配達が4倍以上に増加したそうです。

2024年までに、旅行と食品の配達・ピックアップへの支出はともに配車サービスを上回り、ユーザーは旅行の予約にアプリを利用するようになり、レストランはアプリを通じて配達オプションを提供するケースが増えていて、アメリカの開発者も、生産性、教育、ビジネスなどの主要カテゴリーで収益が増加し、ゲームカテゴリーは2024年に最も高い収益を記録したそうです。