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ポタフェス 秋/冬 2019 東京:アクティブノイズキャンセリング機能付き完全ワイヤレスイヤフォン製品が複数展示

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Qualcomm TrueWireless Stereo Plus

Qualcomm TrueWireless Stereo Plus

ポタフェス AUTUMN/WINTER TOUR 2019 東京・秋葉原において、Qualcommが、Qualcomm TrueWireless Stereo Plus機能に対応した完全ワイヤレスイヤフォン向け最新チップ「QCC5100 series」の技術デモと採用製品の紹介を行っていました。

昨年の採用製品展示と比べて、大幅に製品数が増えていることが分ります。


ノイズキャンセリングヘッドフォンは、1989年にボーズが航空機のパイロット向けに発売したのが最初で、1995年にソニーが発売したアナログノイズキャンセリング・ヘッドフォン「MDR-NC10」と「MDR-NC20」が世界最初の一般向け製品と言われています。

その後、ボーズは、2000年に一般向けノイズキャンセリング・ヘッドフォン「QuietComfort」シリーズを、ソニーは、2008年に世界初のデジタルノイズキャンセリング・ヘッドフォン「MDR-NC500D」を発売します。

2014年7月に、ボーズは、Appleが買収を予定していたBeats Electronics(現Beats by Dr. Dre)をノイズキャンセリング技術の特許侵害で訴え、2014年10月に和解しています。

ANC技術は、こうした特許が絡むのに加え、専用のANC回路を開発する必要があり、資本力のあるメーカーしか参入できない状況が続いていました。


Qualcomm aptX Adaptive

Qualcomm aptX Adaptive

それらを一気に解決したのが、2018年1月にQualcommが発表したQualcomm TrueWireless Stereo Plus機能に対応した完全ワイヤレスイヤフォン向けチップ「QCC5100 series」です。

Snapdragonと連携するQualcomm Voice Activationを使用しないのであれば、アクティブノイズキャンセリング技術を搭載したチップとして、DSPを1つ搭載したQCC5125、DSPを2つ搭載したQCC5121、ウエハーレベルCSP仕様でDSPを2個搭載したQCC5124の3製品が主流となります。

なお、QCC5121とQCC5125はQualcomm aptX Adaptiveにも対応しています。


XRヒアラブル

XRヒアラブル

QCC5100 seriesチップは、ブラックボックスチップである変わりに、特許を気にすることなくアクティブノイズキャンセリング機能を搭載した完全ワイヤレスイヤフォンを開発することが可能になりました。

ただ、ノイズキャンセリングのための集音マイクの実装やコントロールアプリ開発など、自社開発する部分も多く、2019年末になってようやくQCC5100 seriesチップを使用したANC付き完全ワイヤレスイヤフォンが発表され始めたといった感じです。

QCC5100 seriesチップは「AAC」に対応していますが、Via Licensingを通じてライセンス料を支払う必要があるため、AACをサポートするかどうかは採用メーカーが決めることになります。

また、QCC5100型の場合、ANC機能だけでは横並びになる可能性があり、ネインフォスター電機が共同開発する「XRヒアラブル」など、付加機能をどうするかが注目される点にもなりそうです。

ヤマハ


TW-E7A

TW-E7A

ヤマハは、ワイヤレスイヤフォン市場に本格参入することを決め、単独ブースを展開し、ANC付き完全ワイヤレスイヤフォン「TW-E7A」を展示していました。

QCC5124チップを採用し、外音取り込み機能も搭載されています。

さらにQualcommと共同開発することにより、ユニット単体で音量に応じて音のバランスを最適化する「リスニングケア」機能を搭載しています。

アプリによって調整するのではないため、接続デバイスに依存しないという特徴があります。

充電ケースはQiワイヤレス充電にも対応しています。


TW-E5A

TW-E5A

QualcommのQCC3020チップを採用し、ヤマハ独自のリスニングケア機能を搭載した完全ワイヤレスイヤフォン「TW-E5A」も展示していました。

ANC無しモデルで、TW-E7Aと同じ6.2mmダイナミックドライバを搭載しています。

なお、外音取り込み機能は搭載されています。


TW-E3A

TW-E3A

QualcommのQCC3026チップを採用し、ヤマハ独自のリスニングケア機能を搭載した完全ワイヤレスイヤフォン「TW-E3A」も展示していました。

同社製品の中でベーシックモデルで、バッテリー再生で最大6時間(充電ケースとお合わせて最大24時間)使用可能です。


EP-E30A

EP-E30A

また、QCC5124を採用したANC付きワイヤレスイヤフォン「EP-E50A」や、ヤマハ独自のリスニングケア機能を搭載したワイヤレスイヤフォン「EP-E30A」なども展示していました。

今回の発表製品には含まれていませんが、オーバーイヤー型ワイヤレスヘッドフォン「HPH-W300」に続く、オンイヤー型ワイヤレスヘッドフォンも開発しているようです。


Master & Dynamic


MW07 PLUS

MW07 PLUS

Master & Dynamicが、完全ワイヤレスイヤフォン「MW07」をベースにANC機能を追加した「MW07 PLUS」を展示していました。

10mmカスタムベリリウムドライバー、Fit Wingsなどは同じで、QCC5100 seriesチップを採用しています。

なお、対応コーデックとしてAACは含まれていません。


MW07 GO

MW07 GO

IPX6に対応した防水機能を持つワークアウト向け完全ワイヤレスイヤフォン「MW07 GO」も展示していました。

超軽量素材「グリルアミドTR-90」を採用し、軽量、耐衝撃性に優れ、金属アレルギーの方でも安心して使用できるそうです。


フリーウェイ


EHD9001TA

EHD9001TA

フリーウェイが、1MOREのANC付きワイヤレスイヤフォン「EHD9001TA」を展示していました。

QCC3034チップと独自開発したデジタルアクティブノイズキャンセリングプロセッサが搭載されています。


EHD9001TA

EHD9001TA

10mmダイナミックドライバーと、中高音域の再生が得意なバランスドアマチュアドライバーを組み合わせたハイブリッドドライバが搭載されています。

バッテリーで最大連続6時間再生(ANCオフ)が可能で、バッテリーケースはQiワイヤレス充電にも対応しています。


ソニー


WI-1000XM2

WI-1000XM2

ソニーが、ネックバンド型アクティブノイズキャンセリングヘッドフォン「WI-1000XM2」を展示していました。

WH-1000XM3に搭載されている高音質ノイズキャンセリングプロセッサー「QN1」を搭載し、気圧の変化に応じて、ノイズキャンセリング性能を最適化する機能にも対応しています。

9mmダイナミックドライバーユニットと、小型化・高音質化を実現したバランスド・アーマチュア・ドライバーユニットを組み合わせた、HDハイブリッドドライバーシステムを搭載し、外音取り込み機能にも対応しています。


WI-1000XM2

WI-1000XM2

USB-C充電ポートを採用し、最大連続10時間再生が可能です。

ユニットの端に金メッキL型ステレオミニプラグが装備されていて、パススルーによる有線ヘッドホンケーブル接続でも使用できるそうです。


TaoTronics


TaoTronics

TaoTronics

TaoTronicsは、ANC付きワイヤレスヘッドフォン「SoundSurge 46」「SoundSurge 60」、ANC付きワイヤレスイヤフォン「TT-EP002」などを販売していますが、ANC付き完全ワイヤレスイヤフォンの計画はあるのかと質問したところ、2020年中には発表されると思うとのことでした。


関連エントリー:ポタフェス2018:QualcommのTrueWireless Stereo Plus対応フルワイヤレス製品複数展示



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