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フォト イメージング エキスポ 2009:アドビ システムズ、次世代Photoshop技術を世界初公開

Adobe Kevin Connor氏

Adobe Kevin Connor氏

フォト イメージング エキスポ 2009において、アドビ システムズが、Adobe社プロフェッショナル デジタルイメージング プロダクト部門プロダクトマネージメント担当バイスプレジデントKevin Connor氏によって「フォトグラフィーにおけるPhotoshopと次世代デジタル技術の動向」と題したステージセミナーを行ないました。


Kevin Connor氏は、「会場を回っていただければ、どれだけデジタルフォトグラフィーが写真の世界を変えたかということをわかっていただけると思いますが、これからの10年はさらに多くの変化があると思います。写真が絵画に取って代わったときのように、過去から解き放たれるという意味で特に去年は大きな変換点でした。写真を撮る際には画像そのものだけでなくカメラ・レンズのタイプ、日時、撮影場所などの多くの情報がメタデータとして残り、コンピュータ上で編集をすればキーワード、キャプション、編集ソフト、変更点など、さらに多くの情報が追加されます。


そして、Web側でも今まで以上に編集が可能になり(参照:https://www.photoshop.com)、Webにアップすれば人からのコメント、キーワード,キャプションを活用することができます。また、異なる画像同士の相関性も取得することができます。これらのどの過程であっても、情報の収集・処理がされるというのが今までとは非常に異なる点です。また、画像処理の概念も、従来であればフィルムを現像して仕上げていくことをさしたが、いまは殆どの処理がカメラおよびプリンタの中でおこなわれ、画像処理というと合成させる・色調整する・編集する・クリエイティブにしていくことを表します。」


と今まさにカメラにおける転換期であることを語り、MIT大学と共同で開発中のテクノロジー「infinite image」(無限のイメージ)を、実際には関連のない画像をシームレスに繋げて無限のパノラマをつくっていくものと紹介。ビデオを使ってズームインすると継続的に新しい画像が投入され永久につづく様子をみせた。


そして、「過去とはちがった方法で処理をするカメラがすでにできてきている。」と、最高の解像度を使うか解像度を犠牲にして別の情報(輝度もしくはダイナミックレンジ)をとるかを選べる「スーパーCCDハニカムEXR」(富士フィルム)、2つのレンズと2つのセンサーによって、立体的に画像を撮ることができる「FinePix Real 3D System」(富士フィルム)、シャッターを押したままカメラを動かすことによってパノラマ写真を撮ることができる「Cyber-shot DSC-HX1」(SONY)を紹介。


続いてAdobeはカメラメーカーではないが撮影するテクノロジーについては実験していると話し「Plenoptics」(たくさんの光学レンズ)という、昆虫の眼のようなテクノロジーを紹介(最新のプロトタイプはマイクロレンズと呼ばれている)。


「このレンズでとった画像はいっけんデコデコしたガラスの先に何かがみえているようだが、ズームインしてみると少しづつ違う角度で撮った非常に小さなイメージがたくさん組み合わさり、多くの情報を集めている。これにより、撮影した後にコンピュータ上で焦点,視点を変えるといった編集が行え、最終的な写真を生成することができる。さらに3Dの深度の情報をもとに噴水を自動的にとりはずすというようなマスキングができるようになるかもしれません。このテクノロジーは出来るだけ多くの情報を収集し、合成をして仕上げていきます。合成して新しい写真をつくっていくテクノロジーにはシームカービングもあります。画像の中で重要な部分とそうでない部分を認識し、画像に影響の少ない部分だけを縮小・拡大します。Photoshopではコンテンツ認識型の拡大縮小と呼びCS4に搭載しています。」と話した。

なお、Seam Carving技術は、Mitsubishi Electric Research Laboratoriesが開発し、その研究者がAdobeに招いて実装されたと説明していました。



さらに、現在、広角レンズによって発生するゆがみ・ひずみを、視覚的に重要でない部分(テーブルクロスや天井など)に集約することにより100%正確な画像でなくとも視覚的に快適な写真になるテクノロジーを開発中だと話した。


また、ビデオデータの手ぶれ補正にも適用しており、手ぶれをうまく整列させるサードパーティも出ているが、完全にはできません。そこで、Adobeではビデオの中で重要である中心の人物に焦点を置き、それ以外のところでひずみを発生させるというアプローチをとっています。背景に発生するひずみは非常に小さなものなので、ビデオを見てもきづきません。



これらのコンセプトをつかえば写真の再構成を行うこともでき、あるエレメントを動かすと残りの部分が動かすエレメントに合わせて変化するか認識することが出来ます。」と初公開のテクノロジーについても言及した。



また、このような技術が開発されるとともに合成写真を使っての犯罪が行われることを危惧して編集の痕跡を見つける研究がされており、そのテクノロジーの1つとしてクローンスキャナを紹介した。



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