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アドビシステムズ、Adobe Digital Publishing Suiteが支持される理由は、進化と解析と語る

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アドビシステムズが、2013年4月24日にコンラッド東京において「Adobe Digital Publishing Forum 2013」を開催し、キーノートセッションとして、Adobeのビジネスデベロップメント&デジタルパブリッシングマーケティング担当シニアディレクターNick Bogaty氏が、同社の「Adobe Digital Publishing Suite」について説明していました。Nick Bogaty氏は、Adobeの前は「International Digital Publishing Forum」(国際電子出版フォーラム)のエグゼクティブディレクターを勤めていた方で、電子書籍業界が非常に長い人としても知られています。

App Storeにおける電子書籍の中で、メジャー雑誌の多くがADPSを採用していて、アメリカだけでなく、ヨーロッパでも主要雑誌の多くで採用されていると話しました。


iOS 6のデフォルトアプリである「Newsstand」向けに配信されている電子雑誌のうち、約6割りがADPSを採用していると紹介していました。実際に製作環境が何であるかは、雑誌自体からは分からないわけですが、ADPSはかなりのシェアを占めていることが明らかになりました。


ADPSで配信される週当たりの出版物数を20111年3月31日から2013年2月28日まで1ヶ月単位でグラフにした資料を示し、この2年間で180万という数字を記録し、成長が著しいことをアピールしていました。

ADPSには、Adobe Marketing Cloudを導入することが可能で、読者の分析が非常に細かく行う事が出来るため、ユーザー側の嗜好に合った制作出来るのも特徴だと話していました。


2013年2月のデーターとして、週200万の中で、サブスクリプションが34%、無償22%、紙+デジタル35%、単刊・号10%となっており、電子書籍においては、有料購入率が約8割りと非常に高い事が分かると説明していました。

App Storeにおいては、アプリは無料で、アプリ内課金によって収益を得るスタイルが急速に進んでいるわけですが、電子書籍の場合は、単体購入率の方が多く、続いてサブスクリプションという形になっていて、有料ダウンロード率の方が高いということに驚きます。


また、出版物当たりの読者数の成長率を見てみると、2012年1月の4万人から2013年2月で8万人以上へと成長し、2012年11月にiPad miniが発売開始されてから、劇的な成長を遂げてると説明していました。

これは、片手で読めるデバイスになったことが理由の1つではないかと考えているそうです。


Adobe Digital Publishing Suiteは、InDesignデータを電子書籍化するソリューションだが、実は9週間毎に新機能を追加して進化し続けていることはあまり知られていないと話し、現在のADPSには、Push通知機能、Newsstand対応、初号を無料配信し、次号から有料購入してもらう「First Issue Free」機能、特別購読サービスを出版物内に表示する「Digital Blow-ins」機能、ブラウザーやSNSから新規顧客を誘導する「Web Viewer」機能などが利用可能だと説明していました。


ADPSはiPad向けとしてサービスが開始されたが、現在はiPhone、Androidなど様々なプラットフォーム向けに電子書籍出版を行うことが可能で、ナショナルジオグラフィックなどがiPhone版をリリースしたところ、ユーザーセッションが25%増加したそうで、そのことからスマートフォン向けにも提供した方が良いと説明していました。iPad版だけだと機会損失が大きいともいえるため、iPad版だけで考えない方が良さそうです。


印刷データをPDF化しただけの「PDFレプリカ」に対して、インタラクティブコンテンツを多く含められるADPSの方が、読者の関心を長時間保持することが出来ると説明していました。

ようは、同じ読み物であったとしても、平面的に電子表示されているのか、端末の特徴を生かしたインタラクティブコンテンツによって提供するかによって、読者が読もうと思う時間が変わってくることになるわけで「待機率の向上」が重要視される現在では、PDFレプリカを考える前に、まずデジタルパブリッシングを考えた方が良さそうです。


2013年2月時点でタブレットとスマートフォンの利用時間を調べてみると、タブレット向けアプリが14分、スマートフォン向けアプリが10分、デスクトップ向けWebアプリが8分という結果だったと説明し、タブレット向けをデフォルトとして製作し、続いて、スマートフォン、デスクトップといった計画で提供した方が良いと話していました。




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