M5チップを搭載したiPad Pro 11-inch (M5)をチェック
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Appleが発表したM5チップを搭載した新型iPad Pro「iPad Pro 11-inch Wi-Fi + Cellular (M5)」をチェックしてみました。
最先端のタンデムOLEDテクノロジーを採用した新しい画期的なUltra Retina XDRディスプレイを搭載し、iPad Pro 11-inch (M5)の厚さは5.3 mmで、iPad Pro 13-inch (M5)はさらに薄い厚さ5.1mmを実現しています。
iPad Pro 11-inch Wi-Fi + Cellular (M5)モデルの重さは、実計測値で「447.5 g」となります。
M5チップは9コアまたは10コアCPU、10コアGPU仕様で、LPDDR5X-9600 x2で153.6GB/s帯域性能があります。
メインメモリ容量は、256GB、512GBの場合12GB、1TB、2TBの場合16GBとなっています。
オプションとして「Nano-textureディスプレイガラス」も選べます。
iPad Pro 11-inch (M5)は、発光層を2層重ねた有機ELパネル「タンデムOLEDテクノロジー」を採用した2,420 x 1,668ピクセル解像度、264ppiディスプレイを搭載し、SDR輝度最大1,000ニト、XDR輝度最大1,000ニト(フルスクリーン)、ピーク輝度1,600ニト(HDRコンテンツのみ)を実現しています。
また、10Hz〜120Hzのアダプティブリフレッシュレートを持つProMotionテクノロジーが搭載されています。
なお、iPhone 14 Pro、iPhone 14 Pro Maxから採用された1Hz〜120Hzのアダプティブリフレッシュレートを持つProMotionテクノロジーではないため「常時表示ディスプレイ」は利用できません。
iPad Pro 11-inch (M5)は、ハウジングにグラファイトシートが組み込まれています。
背面にあった「iPad Pro」の刻印は無くなりました。
強度に関しては、ロジックボードの上に新しい金属製のカウリング(カバー)が配置され、デバイスの中央を貫いて中央リブを形成するという新しい内部構造レイアウトを採用することで剛性が向上しています。
また、背面の Apple ロゴにも銅が注入されており、iPad 本体を熱を放散するためのより効率的なヒートシンクに変えるのに役立っています。
iPad Pro 11-inch (M5)の背面カメラは12MP広角カメラ、ƒ/1.8絞り値で、iPad Pro 11-inch (M4)と変わっていません。
LiDARスキャナは継続搭載され、アダプティブTrue Toneフラッシュも継続搭載されています。
アダプティブTrue Toneフラッシュの上には「アンビエントライトセンサー」が装備されています。
マイクも4つのスタジオ品質のマイクが継続搭載されています。
iPad Pro 11-inch (M5)には、Apple 20W USB-C電源アダプタ、Apple USB-C充電ケーブル(1m)が同梱されています。
なお、スペースブラックモデルには、黒いApple USB-C充電ケーブル(1m)が同梱されます。
アダプティブTrue Toneフラッシュが搭載されたiPad Pro 11-inch (M5)の背面カメラは、カメラがAIを活用して、書類が申込用紙や領収書であることを検出します。
不要な影がある時は、アダプティブTrue Toneフラッシュで撮影した複数のイメージをつなぎ合わせて、影や映り込みのない高品質なスキャン画像を作成してくれます。
これはiPadOS 17.5以降が搭載された、iPad Pro 11-inch (M4)以降から利用可能なった機能です。
iPad Pro 11-inch (M5)のTrueDepthカメラは、12MP超広角カメラ、ƒ/2絞り値、122°視野角でiPad Pro 11-inch (M4)と同じです。
FaceTimeビデオ利用時に、空間オーディオや、「声を分離」と「ワイドスペクトル」のマイクモードなどが利用できます。
アンビエントライトセンサーの位置もiPad Pro 11-inch (M4)と同じです。
iPad Pro 11-inch (M5)の充電と拡張性は、Thunderbolt 3 / USB 4ポート搭載でiPad Pro 11-inch (M4)と同じです。
Apple C1Xモバイル通信モデムを採用し、4x4 MIMO対応5G(sub-6 GHz)、4x4 MIMO対応ギガビットLTEをサポートしています。
SIMカードはeSIMテクノロジーを採用しており、物理的なSIMカードには対応していません。
iPad Pro 11-inch (M5)は、中国品質認証センター(CQC)に登録申請された情報から、USB-C有線ケーブル充電で「最大60W充電(20V/3A)」に対応しています。
iPad Pro (M4)やiPad Air (M3)は「最大45W充電(15V/3A)」でした。
バスパワー出力は、iPad Pro 11-inch (M4)と同じ最大15Wとなります。

iPad Pro 11-inch (M5):Wi-Fi 7
iPad Pro 11-inch (M5)は、Apple N1チップを搭載し、2x2 MIMO対応Wi-Fi 7(802.11be)に対応しました。
Wi-Fi 6E(802.11ax)、Wi-Fi 7(802.11be)ワイヤレスネットワーク接続の場合、より高速で信頼性の高いワイヤレス通信が可能になる「Wi-Fi 6E モード」が利用可能です。
iPad Pro 11-inch (M5)はiPad Pro 11-inch (M4)と同じく、製品仕様のチップのメディアエンジンとして、ハードウェアアクセラレーテッド8K H.264、HEVC、ProRes、ProRes RAW、ビデオデコードエンジン、ビデオエンコードエンジン、ProResエンコード/デコードエンジン、AV1デコードが搭載されています。
Final Cut Pro for iPadの書き出しビデオ・オプションで「Apple ProRes」を設定した場合の書き出し性能は、iPad Pro 11-inch (M4)と比べ、M5チップ処理性能により向上します。
Final Cut Pro for iPadのツールバーの「カメラ」ボタンをタップし、カメラ画面の左下隅にある 「設定」ボタンをタップし、「環境設定」を表示させてみました。
iPad Pro 11-inch (M4)の場合と同様に「Apple ProRes」の項目が表示され、Apple ProReビデオ録画が可能です。
ProResビデオを最大4Kのフレームサイズ、最大30 fpsのフレームレートで録画できます。
iPad Pro 11-inch (M5)は、iPad Pro 11-inch (M4)と同じく最大6K解像度、60Hzの外部ディスプレイ1台または最大4K解像度、120Hzの外部ディスプレイ1台に対応しています。
Appleの「Apple Studio Display (27-inch)」または「Apple Pro Display XDR」に接続してディスプレイ表示することが可能です。
iPad Pro 11-inch (M5)は、iPad Pro 11-inch (M4)と同様に、一般的な色基準のリファレンスカラーとビデオフォーマットのリファレンスカラーを表示できる「リファレンスモード」が利用可能です。
一般的な色基準のリファレンスカラーも、SDRおよびHDRのビデオフォーマットのリファレンスカラーも表示できるようになり、カラーが極めて重要なワークフローで、iPad Proを単独のデバイスとしても、MacのSidecar機能を使ったリファレンス用ディスプレイとしても活用できます。
これを利用するには、Appleシリコンを搭載したMacが必要になります。
iPad Pro 11-inch (M5)の設定>バッテリーは、iPad Pro 11-inch (M4)と同様に、他のiPadモデルでは表示される「明るさの自動調節」項目が非表示となります。
機能自体は設定>アクセシビリティ>画面表示とテキストサイズの、「明るさの自動調節」にあります。
ベンチマーク
UL Solutionsのベンチマークアプリ「3DMark」を使用し、レイトレーシングベンチマークテスト「3DMark Solar Bay Stress Test」計測を行ってみました。
最高ループスコア「20241」、最低ループスコア「12629」という結果でした。
iPad Pro (M4)のM4チップと比較して約45%高速となります。
M5チップは、従来のハードウェアアクセラレーテッド機能として「レイトレーシング」「メッシュシェーディング」に加えて「Neural Accelerator」が追加されています。
iPhone/iPad用AI Chatアプリ「PocketPal AI」を利用し、超軽量VLM「SmolVLM2-500M-Instruct (Q8_0)」をダウンロードしてベンチマークを計測してみました。
結果はPrompt Processing「449.99 t/s」、Token Generation「175.50 t/s」、Total Time「5s」、Peak Memory「6.5%」という結果でした。
iPad Pro (M4)/M4/8GBモデルの計測結果はPrompt Processing「425.71 t/s」、Token Generation「141.04 t/s」、Total Time「6s」、Peak Memory「4.3%」でした。
iPad Pro (M4)のM4チップと比較して約5%高速となります。
Tomas Kantorのストレージベンチマークアプリ「Disk Test by Magic Benchmark」を使用して、iPad Pro (M5)/512GBモデルストレージ性能を計測してみました。
計測結果の最速値は「Wirte:10,520MB/s」「Read:3,276MB/s」という結果でした。
iPad Pro (M4)/512GBモデルストレージ計測結果の最速値は「Wirte:6,068MB/s」「Read:1,982MB/s」でしたので、Wirte性能は1.7倍高速、Read性能は1.6倍高速となります。
iPad Pro(M5)用Magic Keyboard
iPad Pro 11-inch (M5)は、ファンクションキー配列を装備したキーボード「11インチiPad Pro(M5)用Magic Keyboard用Magic Keyboard」が利用可能です。
フローティングデザインが継続採用され、表側の質感は以前のモデルと変わらない感じですが、アルミニウム製のパームレストと、触覚フィードバックで反応の良さが一段と向上したより大きいガラス製トラックパッドが装備されていて、全体的な体験はMacBookを使っているように感じられます。
Magic Keyboardを接続した状態で、設定>一般>キーボード>ハードウェアキーボードを確認してみました。
言語設定に加え、自動大文字入力、自動修正、ピリオドの簡易入力、ライブ変換などののオン/オフが行えます。
バックライトは環境光が暗くなると、キーボードバックライトが自動的に有効になります。
Magic Keyboardを接続した状態で、設定>一般>トラックパッドを確認してみました。
軌跡の速さ、ナチュラルなスクロールのオン/オフが行えます。
トラックパッドで、タップでクリックや2本指で副ボタンのクリックのオン/オフも行えます。
新しく「システムの触覚」項目が追加され、より大きなガラス製トラックパッドの触覚フィードバックのオン/オフが行えます。
11インチiPad Pro(M5)用Magic Keyboardの重さは、実計測値で「585 g」でした。
iPad Pro 11-inch Wi-Fi + Cellular (M5)モデルと合わせた場合の重さは、実計測値で「1,032g」となります。
iPad Pro(M5)用Smart Folio
iPad Pro(M5)用Smart Folio「11インチiPad Pro(M5)用Smart Folio」は、カバー側を背面側に回り込ませてつけられる角度が多く、実質5段階ほどの角度調整が行えるようになっています。
なお、iPad Pro(M4)用Smart Folioから名称が変更されただけで仕様は同じです。
執筆:大石結花