Appleが、アメリカで唯一の総合レアアースメーカーであるMP Materials社と5億ドル（約745億円）の新たな契約を締結したことを発表しています。

この複数年契約により、Appleはテキサス州フォートワースにあるMP Materialsの旗艦施設インディペンデンスで開発された米国製レアアース磁石の購入を約束します。

両社はまた、カリフォルニア州マウンテンパスに最先端のレアアースリサイクルラインを設立し、磁石の性能を高めるための新しい磁石材料と革新的な加工技術を開発するために協力します。

このコミットメントは、今後4年間で米国内で5,000億ドル以上を費やすというAppleの誓約の一環であり、米国の技術革新、先進的な製造、次世代リサイクル技術への投資というAppleの長い歴史に基づくものだそうです。

AppleとMP Materialsは、Apple製品専用に設計された一連のネオジム磁石製造ラインを備えた最先端のテキサス工場を建設する予定だそうで、新しい設備と技術的能力により、MP Materialsは全体の生産量を大幅に増やすことができます。

一旦建設されれば、アメリカ製の磁石はアメリカ国内だけでなく世界中に出荷され、ネオジム磁石の世界的な需要増加に対応することができるとしています。

生産量の増加は、先端製造および研究開発における数十の新規雇用を支えることになり、両社は労働力を育成するために広範な訓練を提供し、磁石製造における米国の人材と専門知識のまったく新しいプールを構築するそうです。

この発表の前週に、アメリカ国防総省はカリフォルニア州マウンテンパス鉱山を運営するMP Materials社と変革的な官民パートナーシップを発表していて、国防総省は4億ドルの優先株投資とワラント（新株予約権）により同社の約15%を取得し最大株主となります。

また、JPモルガン・チェースとゴールドマン・サックスが10億ドルの建設資金を提供し、レアアース磁石製造の「10X施設」を建設する計画となっています。