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マイクロソフト「Office for Mac 2011」製品説明会レポート

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中央がジェフ プライス (Geoff Price) Product Unit Manager (Microsoft MacintoshBusinessUnit)

中央がジェフ プライス (Geoff Price) Product Unit Manager (Microsoft MacintoshBusinessUnit)

マイクロソフトが、Mac版Officeの最新版「Office for Mac 2011」を、2010年10月27日に発売すると発表したことに併せて、マイクロソフトによる製品説明会が行われました。


Office for Mac 2011

Office for Mac 2011

Office for Mac 2011Office 2008 for Mac から2年ぶりのメジャーバージョンアップであり、Windows版の Office 2010 をベースに最大限の互換性を確保しつつ Mac OS X への最適化を行ったオフィススイートです。


Office for Mac 2011 の開発に当たっては、Office 2010 の開発チームと共同して作業を進めてきたために、2010年06月17日に出荷されたばかりの Office 2010 から半年も経たないうちに Mac への移植を完了して出荷を開始出来るという、これまでの Office for Mac とは比較にならないほどの素早い発売開始となりました。また、Mac・Windows版の開発プロセスを共同化したために「Microsoft Excel for Mac 2011」におけるグラフ演算アルゴニズムなどの処理の高速化をする CoreTechnology を各種最適化して搭載することが可能になっています。

Office for Mac 2011 の開発目標は「更なる生産性の向上」。このために Office 2010 に搭載されている各種機能をベースにしつつも、「プロ向けのツールでは無く、家庭や日々のビジネスで利用するものでは有るが、一般人であってもプロ並の表現クオリティは欲しい」という Macユーザ ならでは希望を叶えるべく、高い表現能力を搭載しています。これらの高い表現能力を実現するために処理速度が犠牲になっては本末転倒ですので、GPU の利用など Mac OS X ならではの各種高速化技術はフル活用しているだけでなく、開発テストにおいて徹底したパフォーマンスチェックを行い、既存 Office for Mac だけでなく同種の他社アプリよりも高速に稼働するように入念なチューニングが施されています。

なお、これらの最適化をより引き上げる為に、Office for Mac 2011 から PowerPC のサポートは打ち切られています。

そんなOffice for Mac 2011 の Office 2010 との類似点ですが、標準ファイルフォーマットはOffice 2008 for Mac から利用されている「OpenXMLフォーマット」が利用され続けています。

また、フォントについて、Office 2008 for Mac に搭載されていたWindows 標準搭載フォントの「MS ゴシック / 明朝」、「MS P ゴシック / 明朝」、「メイリオ」に加えて、Office 2010 に搭載されている HGフォント 10種類 と完全に同一の物が Office for Mac 2011 に搭載されるようになりましたので、それらのフォントを使ったドキュメントであれば基本的に完全に同一なレイアウト互換性が確保出来ることになります。


Microsoft のオンラインサービス・各種サーバ製品との連携性が向上している]

Microsoft のオンラインサービス・各種サーバ製品との連携性が向上している]

続けて、各種新機能について。まず、クラウド版Office である「Office Web App」へのアクセス・利用が可能になりました。


これまでコミュニケーション機能を担当してきた「Entourage for Mac 2008」に代わって、Cocoa API で完全に書き直され、Microsoft Exchangeサーバと組み合わせて利用することが基本系となっている「Outlook for Mac 2011」が搭載されました。

Exchangeサーバとの親和性が上がった為に既存Windowsユーザにも受け入れられやすい「Outlook」のブランドを利用してはいますが、メールなどを記録するデータベースを独自に新規フォーマットとして起こす事で、メール・コンタクト情報などの各種データ単位で TimeMachine によるバックアップが可能なようになっています。また、Spotlight での Outlook内データも対象にした検索や、QuickLook でのデータプレビューへの対応も実現しています。


既存資産や Switchユーザをもサポートするインポート機能を搭載

既存資産や Switchユーザをもサポートするインポート機能を搭載

また、インポート機能に Windows Outlook で採用されている .pst フォーマット及び、旧来の Outllok for Mac で利用されていた .olmフォーマット の読み込みが搭載されたことで、Switch ユーザであっても比較的容易に乗り換えられるようになっています。


オンラインリソースを容易にフル活用出来るようになった「ギャラリー」

オンラインリソースを容易にフル活用出来るようになった「ギャラリー」

Office スイート各アプリを起動した際にデフォルトで立ち上がる「ギャラリー」において、Microsoft が用意しているオンラインのテンプレートへ直接アクセス出来るようになっています。

インターネットに接続されていれば、最新のテンプレートをプレビュー出来るだけでなく、ダブルクリックするだけで自動的にダウンロードされてアプリケーションで利用可能となります。


Microsoft Excel for Mac 2011

Microsoft Excel for Mac 2011

さて、ようやくのアプリケーションですが、基本的に出来る事はこれまで通りですが、「Microsoft Excel for Mac 2011」においては Windows版では Office 2007 で実現していたセル内のグラフ表示などが可能になりました。

これによって数字だけでしか構成出来なかった資料が、ビジュアル的に優れ、分かりやすい資料とすることが出来るようになりました。


Microsoft Word for Mac 2011

Microsoft Word for Mac 2011

Microsoft Word for Mac 2011」においては、Office for Mac 2011 だけの機能として 全画面表示をサポート。

ディスプレイ上に入力される用紙だけを表示し、他の情報を全てブラックアウトさせることで、書類作成に没入出来る環境を整えます。


Microsoft PowerPoint for Mac 2011

Microsoft PowerPoint for Mac 2011

Microsoft PowerPoint for Mac 2011」においては、各スライドに乗せられている画像やテキストなどのレイヤーの重なりを分かりやすく表示する「バックステージビュー」機能が搭載された事で、これまで有りがちだった「あとから配置した画像によって文字が隠れてしまったけど、どうすれば良いか分からない」というような問題が解消されやすくなります。

これらの新機能は、これまで通りアプリケーションメニューから選択して実行することも出来ますが、機能の全てを素早く、効率的に利用するにはアプリケーションウィンドウの最上位に表示されている「Macリボン」ユーザインターフェイスを利用するのがお薦め。

Windows版の導入当初は酷評された リボンUI でしたが、Office for Mac 2011 においては Mac OS X ユーザが違和感を覚えないように表示配列や表示方法が調整された事によって、生産性の向上に高く寄与する機能となっています。


Cocoa API で刷新された印刷機能

Cocoa API で刷新された印刷機能

以上のような機能をフル活用して作成された書類の印刷についても、これまでの印刷制御は Carbon API を利用していたのに対して、Office for Mac 2011 では Cocoa API による印刷制御となりました。これによって、より安定した印刷が可能になるだけでなく、プレビューの表示など Mac OS X が実現してくれる最新の印刷技術が利用可能になっています。


インストーラによるインストールが標準となった

インストーラによるインストールが標準となった

最後に説明会では触れられませんでしたが、Office for Mac のインストールと言えば永らくドラッグ & ドロップ によるインストールが行われてきましたが、Office for Mac 2011 ではインストーラによるインストールが基本形となっています。

これによって、初回起動時に長い時間を要した各種設定処理時間が著しく削減されています。


Office for Mac 2011

Office for Mac 2011

これらの新機能を満載した Office for Mac 2011 のパッケージは 3種類。

Microsoft Word for Mac 2011・Microsoft Excel for Mac 2011・Microsoft PowerPoint for Mac 2011 の 3アプリケーションをバンドルした「Microsoft Office for Mac Home and Student 2011」と、これらのアプリケーションに Microsoft Outlook for Mac 2011 を追加した「Microsoft Office for Mac Home and Business 2011」と「Microsoft Office for Mac Academic 2011」の 3パッケージが販売されます。

なお、「Microsoft Office for Mac Home and Student 2011」については 同一世帯の 3ユーザが3台のマシンにまでインストール可能であり、想定価格は 17,000円程度。「Microsoft Office for Mac Home and Business 2011」は同一ユーザが最大2台のマシンにまでインストール可能で想定価格33,000円程度。「Microsoft Office for Mac Academic 2011」は 1ユーザ1台にまでインストール可能で想定価格17,000円程度となっています。

 なお、複数台に対してインストール可能な「Microsoft Office for Mac Home and Student 2011」及び「Microsoft Office for Mac Home and Business 2011」については、「Office for Mac 2011 発売記念限定パッケージ」として1ユーザ1台にしかインストール出来ない限定バージョンが想定価格13,000円 と 21,000円にて用意されます。



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