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Apple Store:Meet the App Developer、カプコンがゲームデザインについて語る

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Meet the App Developer

Meet the App Developer

2009年11月24日にApple Store, Nagoya Sakaeにて、iPhoneアプリの開発者が行なうトークショー「Meet the App Developer: カプコンのゲームデザイン」が開催されました。

この「Meet the App Developer」は、Apple Storeの新しいシリーズイベントで、日本だけでなく、アメリカのApple Retail Storeでも開催されていて、今月はTapulousがツアーを行っています。


カプコンの伊藤幸正氏

カプコンの伊藤幸正氏

カプコンの開発統括本部 MC開発部 プロジェクト企画室の伊藤幸正氏は、最初にユーザー層と文化からみる「ゲームの歴史」として、何か新しい文化が生まれると、旧文化は衰退するのではなく、どんどん新しい文化が追加される市場だと説明しました。

カプコンは、iPhoneゲームをモバイルゲームとして位置づけて開発を行っており、非常に単純なゲームでもヒットする市場だと説明しました。


ゲーム要素を縦軸、コミュニケーション要素を横軸として、それぞれの文化を配置すると、図のような感じになると説明していました。


カプコンでは、これらが融合し、モバイル市場を中心として、オンラインとソーシャルが強く結びついた市場になっていくと考えていると説明していました。


モバイルゲームビジネスについて

モバイルゲームビジネスについて

モバイルゲームビジネスについて、電話を持っている人全てが潜在的な顧客となり、在庫を持たないで良い完全なデジタルディストリビューションとして、今までのゲーム販売とは、まったく異なった市場だと説明していました。


モバイルゲーム国内市場

モバイルゲーム国内市場

モバイルゲームの国内市場は、公式サイトは、携帯電話端末の売行きが鈍化したことにより、導線が変化し、少し下降傾向にあると話し、mixi、GREE、モバゲーといった非公式サイトは、無料ゲームの広告モデルが中心で、流通や広告事情に左右されるため、ゲームを売り難いと説明していまいた。


モバイルゲーム海外市場

モバイルゲーム海外市場

モバイルゲームの海外市場は、キャリアが持っている端末の種類として300機種ほどあり、それら全ての機種に対応しなければならず、キャリアによっては、対応しないと配信すら出来ない場合があると説明していました。

また、キャリアの取り分が非常に高く、なかなか利益に持っていくまでが大変で、非常に厳しい状況になりつつあった中、iPhoneアプリ市場が登場したと説明していました。


iPhoneアプリ市場

iPhoneアプリ市場

iPhoneアプリ市場は、iPhone 3GS、iPod touch (Late 2009)など複数機種あるが、実際には、サポート端末として1種類となり、配信手数料の分配もクリアであり、Mac上から登録するだけで、聞いた事も無いような国まで含めた世界配信を行なう事が出来るのが凄いと話してました。

端末の性能が、本格的なゲームも制作可能なパフォーマンスを持っていて、非常に良いゲームを作りやすい環境にあると説明してました。

また、誰でもアプリを販売出来るので、今までのゲームメーカーでは考えられなかったようなゲームアプリがどんどん出てきていると説明してました。


バイオハザード U.I.

バイオハザード U.I.

カプコンは「バイオハザード4」で、バイオハザード U.I.を導入したと説明していました。

iPhone/iPod touchには物理的なボタンが無いため、仮想的なボタンとして「VIRTUAL PAD」を搭載するゲームが多いが、これは、仕方なく搭載しているだけでしかないと述べ、それに対して、カプコンが採用した「VISUAL PAD」は、パッドを画面に表示することによるメリットを最大限に生かすために設計されたものだと説明していました。


VISUAL PAD

VISUAL PAD

例として、左のコントロールパッドは、爪の先で触れているように感じるが、実際には親指の下側が触れているので、それを認識するように設計を行っていると説明してました。

また、階段を登るというアクションが発生した場合、画面上に上を向いた矢印ボタンを表示することで、すぐにプレイヤーに、どのボタンで登れるのかを判断しやすくなっていると説明し、単なる仮想ボタンではないと解説してました。


仮想ボタンでシューティングを行なうのではなく、直接敵をタップして倒すという意見を聞くが、バイオハザード4の場合、一番手前にいる敵をまず倒し、続いて後ろの敵を倒すという段階を踏ませることで、ゲームの面白さを考えていて、それが無くなってしまうので採用していないと解説してました。


カプコンとしては、面白い操作にあわせてゲームを作るのではなく、面白いゲームをプレイするための操作を考える必要があると説明してました。


魔界村騎士列伝

魔界村騎士列伝

次に、3Dによって全て新しく書き起こした「魔界村騎士列伝」は、グラフィックスレベルを高くすると、元々ゲームが持っていたタイトルの味が損なわれてしまう場合があるが、iPhone/iPod touchの場合は、ちゃんと味を再現出来るほど、グラフィックスパフォーマンスが高いと説明してました。


ノーマルモード/パンツモード

ノーマルモード/パンツモード

「魔界村」は物凄く難しいタイトルとして知られているが、初めてプレイするユーザーの事を考慮して、今回、難易度を下げたモードをデフォルトの「ノーマルモード」とし、従来のユーザーむけに、難易度の高い「パンツモード」を搭載していると説明していました。

このノーマルモードとパンツモードとでは、敵が出現する数が違うが、これは、別々のプログラムを動かして実現していると解説していました。


アプリ内課金

アプリ内課金

アプリ内課金によって、6種類のパワーアップアイテムを追加出来るようになっていると説明し、これを搭載した理由として、アイテムを購入しなくてもクリア出来るように設計しているが、iPhone/iPod touchユーザーのライフスタイルを考えると、そのタイトルだけずっと遊んでいる分けではなく、他のアプリや、アプリ以外の部分で利用されている方が非常に多いということが分かったので、とりあず最後まで短時間で進みたいと考えている方のために搭載したと説明していました。

これには賛否両論があるが、PCオンラインゲームでは、アイテム課金はよく行われているて、それと比べて非常に多くの購入率という状況なので、結果的に良かったのではないかと思っていると話してました。


最後に、12月3日にApple Store, Ginzaにて開催されるMeet the App Developerイベントに合わせて、新作タイトルを発表すると話してました。


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