EPUBの策定に深く関わる 村田真氏

EPUBの策定に深く関わる 村田真氏

アドビ システムズが、2011年2月1日にベルサール六本木にて開催した「Adobe Digital Publishing フォーラム 2011」において、現在策定が進んでいる「EPUB 3.0」について、EPUBフォーマットを策定している IDPF (International Digital Publishing Forum) 内のワーキンググループ「Enhanced Global Language Support Sub-Group」にてコーディネータを務められている国際大学フェローの村田 真氏より解説されるセッション「電子書籍の新フォーマット、日本語対応EPUB3.0の詳細解説」が行われました。


EPUB自体に、独自仕様というのは実は少ない

EPUB自体に、独自仕様というのは実は少ない

まずは EPUBフォーマット について。

EPUBフォーマットは、テキストは HTML、ベクタ描画は SVG、レイアウトは CSS 、ファイルはこれらを ZIP で固めて拡張子を .epub にするだけという「10年来、W3C での検討も含めれば下手すりゃ20年近くも生き残っている、枯れた技術を組み合わせた」ものとなっています。しかしながら、EPUBフォーマットのバージョンアップによってCSS の最新バージョンを利用出来るようにする などの開発によって、日本語組版の表現力に近付けようという取組みが行われています。


EPUB の策定には、多彩な言語の人が関わっている

EPUB の策定には、多彩な言語の人が関わっている

このように年々表現力を向上させている EPUB は、Apple iBooks のみならず Google、Adobe、SONY、B&N などの錚々たるメーカーが自社のブックリーダにて対応しているのみならず、販売ファイルフォーマットとしては "AZW"型式という独自フォーマットを使っている Amazon ですら出版社が Amazon へ入稿するフォーマットとして実は EPUB を採用している程となっています。また、韓国においてはデジタル教科書のファイルフォーマットとして EPUBフォーマット を採用する事を決定するなど、国を挙げての採用となっています。

このような EPUBフォーマット を規格しているのは、International Digital Publishing Forum (IDPF)という団体。現時点で 227社が参加しており、アジア圏を中心とする2byteコード圏の企業も30社以上が参加して一定以上の影響力を持つようになっています。なお、227社のうち Apple が iBooks で EPUB を採用する事を発表した 2010年以降にIDPFへ加盟したのが 74社という事から、Apple による EPUB採用は各社の動きに対して相当な影響があった事が伺えます。


EPUB3.0は技術ベースも大きく更新されている

EPUB3.0は技術ベースも大きく更新されている

さて、その EPUBフォーマットの最新バージョンとなるのが「3.0」。

策定当初は「2.1」とも言われていましたが、バージョンNo は "3.0" となる事が決定しており、2011年05月に最終仕様がリリースされます。

現在リリースされている EPUBの最新バージョン 2.0.1 と比較して、EPUB3.0 は テキスト情報が XHTML から HTML5ベースに、CSS が、CSS2 から CSS2.1をベースに CSS3 の仕様も一部含んだものとなり、日本では待望されていた 縦書き もサポートされます。


1年余りという短い期間で策定された EPUB3.0。2011年05月には最終仕様がリリースされる

1年余りという短い期間で策定された EPUB3.0。2011年05月には最終仕様がリリースされる

最終仕様が発表される予定の 2011年05月 というのは IDPF が EPUB の仕様をリリースしてきた "Holy Day" とも呼ばれる月であり、「収録機能を減らしてでも、EPUB 3.0 は 2011年05月にリリースする」と言われているほど絶対的なスケジュールとなっています。

なお、縦書きやルビなどの日本語組版仕様については、2011年02月01日に公開された EPUB3.0一般公開ドラフト版にも収録されているので、まず間違えなく 2011年05月に仕様策定・公開される最終仕様にも含まれるであろうという事でした。


英文字が転んでしまう、行送りが少し変という問題が残っているものの、ルビの色を変えるなどの電子出版ならでは表現が可能になっていることが確認出来る

英文字が転んでしまう、行送りが少し変という問題が残っているものの、ルビの色を変えるなどの電子出版ならでは表現が可能になっていることが確認出来る

これらの EPUB3.0 で盛り込まれる各種日本語表現のベースとなっているのは、2009年06月に W3C に提出された日本語・英語の両方で書かれた「日本語組版処理の要件」。

これは日本語組版について述べたものですが、英語でも書かれている上に、組版について充分な情報が網羅出来ており、しかもアジア圏で多い正方形の Box にグリフを収めるような言語への応用も比較的容易ということから、事実上の EPUB3.0 における日本語表現のリファレンスとして使われました。このために、日本語の組版における重要な表現方法はほとんど収録出来ているという事でした。


EPUB は都度レンダリングするので、文字拡大をすればルールに従って回り込みなどが行われる

EPUB は都度レンダリングするので、文字拡大をすればルールに従って回り込みなどが行われる

なお、EPUB3.0 の表現力について試したい場合には「WebKit Nightly Builds」によって「まだ完璧では無いが、ビルドが上がる度に良くなっている」EPUB3.0 の表現を試す事が可能です。


EPUB3.0 以降も、機能の拡充は行われる予定になっている

EPUB3.0 以降も、機能の拡充は行われる予定になっている

EPUBの今後としては、コミック表現の強化、縦書き・横書きの混在、切り替えのより一層の改良、対話的な操作のサポートなどを今後のバージョンで行って行くことが考えられているという事でした。


ISO規格化も今後は進められる

ISO規格化も今後は進められる

また、事実上の業界標準になってはいるものの、仕様策定を行っているのは、International Digital Publishing ForumというIT系業界団体の一種に過ぎないのが現状。その為に、EPUBフォーマット がIT業界だけの規格に留まらないように、ISO/IEC JTC 1 (Joint Technical Committee 1) によってISOも認める標準規格になるための作業が進められるという事でした。


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