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Macworld Conference & Expo/Tokyo 2001 report Macworld Conference & Expo/Tokyo 2001
February 2001 MACお宝鑑定団 
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Cyber Spaceに重力を。Maya Complete 3 for Mac OS X

・Cyber Spaceに重力を。Maya Complete 3 for Mac OS X

「OpenGLのクロスプラットフォーム製品」
今回Macworld TOKYO基調講演でも紹介されたAlias|wavefrontのMayaという本格派3Dアニメーション・ビジュアルエフェクトツールの製品発表が南青山のエイリアス・ウェーブフロント株式会社で行われたのでお話を伺ってきた。発表は、代理店を含めた販売戦略に渡るもので、基調講演でMayaを紹介したMaya TechnologyのRichard Kerris自ら行われた。

Mayaは現在SGIの傘下にいるAlias|wavefrontが長年の3Dビジュアルエフェクトの集大成として製品化したプロフェショナル向けの3Dアニメーション・ビジュアルエフェクトツールである。今まではSGIのハードウエアとWindows NT/2000で動作していたものをMac OS Xの環境に移植し、2000年のMacworld SFで発表した。今回のMacworld Tokyoでは正式なベータ版の発表となり、今まででもっとも進んだものが実際のデモを含めて披露された。

MayaはSGIの製品ということで理解できるように、OpenGLを最大限生かして実現されるものである。開発の元となるプラットフォームはMac OS Xと同じUNIX系のSGI IRIXというOSで、UNIX系のOSとの親和性も高い。したがって、Mac OS Xのバージョンは現行のMaya Complete 3がそのままの機能のままQuickTime Movie作成機能などを追加して登場してくる。Appleとの関係においては、John Carmack同様、OpenGLでの実際のアプリケーション開発パートナーであり、OpenGLに関してMayaの移植で発見された問題点を積極的にフィードバックしているという。そのため、今回のベータ版のデモもPublic Betaよりも新しい最新のMac OS Xで行われている。

Mac OS X向けの最初の製品であるMaya Complete 3は、2001年6月出荷を目指しており、以下の動作環境で動作する予定である。

・Mac OS XがインストールされたPower PC G4マシン
・256MB以上のRAM
・ATI RADION for MacもしくはnVIDEIA GeForce 3を搭載していること
・3ボタンマウスを接続していること(Contour Designのものは確認済み)

サポートするグラフィクスボードと3ボタンマウスに関しては、Mac OS XのOpenGLのサポートと共に順次追加していく予定である。ちなみに、この日のデモはPower Book G4で行われた。PB G4でも機能としては問題なく動作する。

「激安プロツールか、次世代先取りの高価なツールか?」
Maya Complete 3の日本での販売予定価格は998,000円である。Mayaはいままで数万ドルしたリアルタイム3Dアニメーション・ビジュアルエフェクトツールを1万ドル以下という低価格帯に引きずりおろした。同時に、数万ドルのツールであったが故に人のめに触れることの無かったものをMacworldの基調講演でデモを見れるようになった。今回の発表の中で例として挙げられたのであるが、現在、ビジュアルクリエーターと呼ばれる人たちは、全員がなんらかのコンピュータ3Dソフトウエアを購入済みで、「全員がコンピュータで3Dをやろうとしてる」のは確かなようである。むろん、NHKの特集番組のタイトルバックや3Dアニメーション、CNNのタイトルバックなど、豪華なアニメーションは普通の人々が日常的に目にするようになっているのだから、それを作っている人たちは非常に高価な機材を使って、手間と暇を書けて制作しているわけである。そのようなプロの3Dビジュアルエフェクト制作者も喜ぶし、いままで手が出なかった人たちも、超ゴージャスなアニメーションを追加することが可能となったわけである。

でも、1000万投資した人も、なにも投資しなかった人も100万は100万である。激安でもあり、次世代先取り先行投資でもあるMayaをこれから正しく市場に受け入れさせる必要がある。製品そのものは革命的ですばらしいものあるが、新しい3Dアニメーション・ビジュアルエフェクトの市場を形成していくという心意気はAlias|wavefrontからはあまり感じられなかった。販売戦略に関しては今後に期待したい。

「Cyber Spaceの物理法則コントローラー」
MayaはSTAR WARS Episode IやMATRIXなど、ビジュアルエフェクトを駆使したハリウッドの大型映画に採用され、数々の賞も得ている。MATRIXが典型的であるが、仮想空間で繰り広げられる物語の世界は、通常の地球の物理法則に反した動きが随所に現れる。これは、周りが通常の物理法則に合っている世界で一部がそれに反発するという表現でひときわ際だって見えている。Mayaはそのシステム内部に地球の物理法則を再現するエンジンを持っているため、Mayaで作ったオブジェクトはあたかも実際に身の回りで再現しているかのように見えるわけである。つまりCyberSpaceにニュートン力学がやってきたわけで、映画の中のオブジェクトが原子レベルまで小さくならない限りビジュアルエフェクトの中で使えるというわけである。中性子君が電子(デンコ)ちゃんと恋に落ちる物語の場合は別のツールが必要になる。

まあ、そこまで飛躍しなくても、地球より少し重力の小さい惑星の近傍での探査ロケットの動きや重力のうんと大きい星でのロケットの動きなどを普通の人がリアルタイムで再現する様子を見ることができるようになりかもしれない。また、浮力によって重力の影響が少なくなる水の中の様子を泳げない人が自分の体と全く同じオブジェクトを使って試してみることができるようになるかもしれない。かつて巨大な部屋に鎮座していた計算機を机の上にAppleが持ってきたように(今もそれは続いている、なにせスーパーコンピューターto go だもの)、普通の人が、現実世界のシミュレーションを手軽にできるようになるかもしれない。

MayaやPixerのRendermanのようなツールによってCyberSpaceで現実と同じ動きをする仮想オブジェクトがリアルタイムで動くようになった。これらの革命的なツールを使って映画やテレビの番組制作の世界がまた一段とイマジネーションあふれる世界になることを期待しよう。



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・佐藤 徹@Galapagos Systems