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H氏からの手紙
July 1998 MACお宝鑑定団 
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The offense and defense around the next generation memory

●Mac Power誌に連載されている「改造道」の著者である今井氏が、アップルが今後使用するであろうSLDRAMメモリーに関しての投稿を寄せてくれました。(内容に関しての御質問等は、直接御本人宛にメールをして下さるようお願いします。)


 少し前にMac the Forkが書いていた「Whereabouts of mac ?」というコラムを読んでいて、確かにその通りだと思った。現在のMacintoshのハードウェアが次の時代にアドバンテージを有するためには、現在Rumorサイトで噂されているような小手先の改善ではお話にならない。システムバスが100MHzにアップしたりAGPや高速PCIバスが採用されたところで、それは処理能力の飛躍的な向上につながらないことは、Windowsマシンの現状を見るまでもなく明らかなことだ。もちろん、機能の拡張や小さな改善は大切な要素であり、それらの積み重ねとプロセッサ性能の向上によって商品としての完成度が向上することは間違いないのだが、それだけでは次世代を征するアーキティクチャは生み出せない。そのことに気付いたからこそ、IntelはDRDRAMへの早期移行を表明したわけだ。しかし、AppleやMotorola、IBMからはDRDRAMサポートの表明などは未だに一切発表されていない。果たしてAppleは次世代メモリへの移行を行わないつもりなのだろうか?

 その答えは「ノー」だ。AppleはMotorolaと共に、既に次世代メモリへの移行の準備を着々と進めつつある。但し、そのターゲットとなる次世代メモリデバイスはMac the Forkが予言したDRDRAMではなく、本命は「SLDRAM」だと言うのが私の推測である。

 SLDRAMは古くはSyncLinkの名で知られる次世代メモリデバイスで、非営利団のSLDRAM,Inc.によって規格が管理されている。つまり、スポンサー自身にはDRDRAMのRAMBUS社のようにロイヤリティやパテントが発生することはない。そしてまた、SLDRAMの規格はIEEE規格「IEEE P1596.7 Standard」(SyncLinkD0_99.pdf)として標準化され、その仕様はオープンでホワイトペーパー「SLDRAMwhite970910.pdf」やデータシート「corp400a.pdf」が既に公開されている。SLDRAM自体の規格はDRDRAMに比較的近く、高周波テクノロジーをベースにした高クロック駆動型メモリである。最初の規格では400MHzのバスクロックに同期してデータを入出力する16bit/18bit幅の256Mbitメモリデバイスがリリースされる。その次のステップとしてDRDRAMと同じ400MHzのバスクロックの両エッジに同期して800MHzでデータを入出力できる1Gbitメモリデバイスがリリースされる予定だ。最初から1社によって規格が固定的に設定されるRAMBUSとは異なり、SLDRAMでは随時拡張可能な余地を仕様に残しているのが特徴と言えるだろう。なお、SLDRAMのスポンサー企業は富士通、日立、Hyundai、IBM、LGS、松下、Micron、三菱、MOSAID、Mosel Vitelic、Motorola、NEC、沖電気、Samsung、Siemens、TI、東芝、VISなど半導体メーカー各社。この中の何社かはDRDRAMの製造ベンダーでもある。やはり特徴的なのはメンバーにIBMとMotorolaの両社が入っていることだろう。


apple_sldram.jpg


 そして、そのSLDRAMのライセンスユーザーとして、Apple、HP、IBM、Motorolaが名を連ねているのである(SLDRAMgeneralPresentation.pdf)。また、SLDRAMコントローラベンダーとして、S3やVLSIといったチップメーカーの名前もある。つまりAppleはIntelのRAMBUS採用に対抗して、Motorolaほか各社と手を組みSLDRAMという次世代メモリを武器に戦いを挑もうとしているのだ。


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