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発表会レポート

ニュース23 枠にて2004年04月15日より放映が開始される FileMaker 7 シリーズの新CM上映で幕を開けた新製品記者発表会。FileMaker社が製品仕様を一新し、2年ぶりに投入する FileMaker 7シリーズについて詳細な解説が行われました。

 まずは、ビジネス戦略について FileMaker, Inc. の Dominique P. Goupil社長より説明が行われました。

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FileMaker, Inc. Dominique P. Goupil社長



 FileMaker 7がターゲットとするマーケットはSOHO〜500名程度までのワークグループであり、このマーケットにおける人やモノ、ワークフローを管理し、分析による効率化を実現するとの事でした。個人が作成する献立や住所録のような超個人的な用途及び、航空・金融の基幹業務のようなエンタープライズマーケットは実現は不可能ではないが、FileMakerとして目指しているメインターゲットからは外れていると説明されました。

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小中規模のワークグループを狙うFileMaker 7



 

製品の位置付けとしては、Excelと大規模データベースの間の中規模データベース市場。

Excelは統計や分析はスプレッドシートで容易に出来るものの、データ入力に規則性を持たせられずにエラーが発生する元となってしまったり、セキュリティ機能が弱い為にデータ保護が行えないという問題が存在し、一方のOracleのような大規模データベースはデータ統合などは容易であるものの、開発が非常に困難であり、専門エンジニアでなくては開発出来ないという問題が存在します。

FileMakerは丁度この中間に存在し、データベースとして容易にセキュリティを保ちつつもデータの統合・分析に力を発揮し、更にはGUI環境でユーザー自身が容易に開発出来る "シンプルでパワフル" な環境となっています。

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Excelと大規模DBの良いとこ取りのFileMaker 7



 この"シンプルでパワフル"という特徴が理解された事によって、Fortune100のうちBank of Americaのような金融企業、ボルボ・BMW・ホンダのようなメーカー、Pixer・SONY Picturesなどのハリウッド企業など70社もの大企業、また高等教育、特に大学のように大規模であるものの学部単位のように適度に小さいサイズで分散していることでファイルメーカーのターゲットマーケットと一致している市場など、多種多様、多岐に渡る市場にて受け入れられていると説明されました。

この結果、今日までの累計出荷本数はワールドワイドで900万本以上であり、内25%が日本市場という実績を持ち、財政基盤についてもAppleという強力な財務を持つ親会社が有る上に、FileMaker, Incとして24Q連続で黒字を出している非常に強固で安定しているものであるので、安心して今後の利用して欲しいと説明されました。

 さて、多種多様な業界から寄せられる要求に応えるべく新規に開発された FileMaker 7は5製品のラインナップ。

ベーシックな機能を有する "FileMaker Pro7" 、開発をより効率化・迅速化し、ランタイム形式での保存なども可能な "Filemaker Developer 7"、FileMakerデータファイルの共有化する "FileMaker Server 7"、簡易Web機能によるWeb経由での共有やXML・JDBC・ODBCなどの標準規格を利用する事でFileMakerのコネクティビティを向上させる "FileMaker Server 7 Advance"、Pocket PC・Palmとの連携を実現する"FileMaker Mobile 7"をラインナップし、更に現在 iモード などの携帯電話経由でのデータ共有を実現すべく "FileMaker Mobile for i-mode" の市場調査・開発を行っています。

 これらのFileMaker 7の開発において共通して特に注力されたのが、"リミットの向上"。

データサイズは最大2GB から 最大8TB と4000倍にもなり、フィールドテキストは64KBから2GBへの向上。これらの容量アップにより「事実上、どんなデータでも収録出来る」ようになっています。また、リミット値が向上したことで、これまでのマルチメディアデータの保存に限らず、QuickTimeやPDF、WORD、Excelのような多種多様なデータをオブジェクトフィールドに保存出来るようになっています。

これらの新機能の詳細は後ほどに譲るとして、FileMakerの簡単な歴史も。FileMakerが生まれたのは1983年の事。当時のDBは余りにも複雑過ぎたので「もっと簡単に使えるDBを作ろう」と考えたエンジニアとインターフェイス開発者の2人が作ったのがFileMakerの前身であり、これをクラリスが買収。その後にFileMakerを販売する専門企業として独立を果たしました。

そしてこの歴史において非常に重要な点は、ここ20年間にリリースされた中規模データベースで生き残っているのは今となってはMicrosoft OfficeとFileMakerだけという事。MS AccessはMac OS用にリリースされていないので、マルチプラットホームで動作するのは事実上FileMaker1製品だけとなっており、この状況を説明したドミニクCEOからは「80年代のMicrosoftの最大の失敗は、FileMakerを買収しなかった事だね (笑)」という冗談が飛び出すほどでした。

このようなFileMakerの製品群については、CNet・ITmediaなどのアメリカのITメディアには「パワフルで、シンプル」と評価されており、これは正にFileMakerが目指している姿であるので、自分たちの姿は市場より正しく評価されていると思っているし、今後もこの路線を強化するとして話が終わりました。

 CEOの製品概要に続き、FileMaker, Inc. のChung Le副社長よりデモを交えながら製品の詳細が説明されました。

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FileMaker, Inc. Chung Le副社長



FileMaker 7は新設計のデータベースであるものの、これまで長年に渡って行われたFileMakerソリューションへの投資を無駄にしないようにしつつ、ワークグループの生産性を向上させるように、"エンジン"・"スクリプティング"・"Web"・"セキュリティ"・"UserExperience"の5点について特に注力し、更にはXMLやunicode・JDBC・ODBCなどの今後トレンドになるであろう業界標準規格を取り入れるように開発が行われました。

 エンジンについては、以前に述べたように想定される数値をも遥かに上回る大容量データに耐えられるようになった上に、高速化されています。また、1データベース内に複数のテーブルを作成出来るようになったことで、大規模・複雑なデータベースの作成が容易になっています。

 スクリプティングについては強化と統合が行われた為に、FileMaker7をデスクトップで利用する場合でも、Advanced Serverを介してWeb経由で利用する場合にも同一のスクリプトを共通して利用出来るようになっています。

※JOE副会長注釈:これまでのFileMakerは、『ファイル>フィールド定義』という形式だったが、今バージョンからは『ファイル>テーブル>フィールド定義』となっており、これまでの『ファイル』を『テーブル』として、1ファイルの中に持つ事が出来る。このテーブルにより、今まで多数のファイル群で構成されていたDBを1ファイルで扱う事が可能となり、DB管理が容易になっている。

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スクリプトの演算子も強化されているのが分かる



 Webについては、データの再現性が向上し、デスクトップ・Web経由のどちらでもほぼ同一の状態でデータを参照出来るようになっています。

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Webでの再現性も向上



 これらの新機能は搭載されただけでなく、使い易く統合されてこそFileMaker。

 1データベースに複数テーブルをサポートするようになった事を受けて「リレーションシップグラフ」というテーブルの相関関係をGUIで表示し、ドロップ&ドラッグにてリレーションを容易に作成出来るツールが搭載されました。このグラフ機能は他のDBで搭載されているものと同様のインターフェースを持つため、データベースに馴染んでいる人であれば違和感無く操作出来るでしょう。

※副会長注釈:このリレーションシップはテーブルに内包されたDBのみならず、別ファイルとして存在するDBとのリレーションも表示する。したがって以前のFileMakerで使用していたDBも、同様に扱う事が出来る。しかしながら、別ファイルとして運用していたDBを、今回新たに採用されたテーブル内に取り込む事はできない様である。

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「とうとうFileMakerにも」と感慨に耽りたくなるリレーションシップグラフ



 セキュリティについてはユーザー毎に権限を細かく設定出来るようになっている非常にパワフルなモノですが、設定画面はOSのユーザー設定画面と非常に似通っているので、ポリシーさえ決定出来ていれば誰でも簡単に設定は出来るでしょう。また、ActiveDirectory・OpenDirectoryなど外部のセキュリティサービスを利用する事が出来るようになっているので、大企業などでは組織で統一したセキュリティポリシーにFileMakerのDBを参加させる事も可能となっています。

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多数のアカウントに対して細かなセキュリティ制限が可能

しかし、セキュリティ設定はGUIで容易に可能



 データベースの出力についても改良が行われ、同一データベースに対して複数ウィンドウを開いて情報を参照する「マルチプレビュー」も出来るようになりました。この機能は、Mac OS XなどのExposeなどと併せて使う事で、必要なデータにアクセスする時間を著しく削減する事が可能になるでしょう。

 スピーチの最後を飾ったのはファイルメーカー株式会社の 宮本高誠 社長。

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ファイルメーカー株式会社 宮本高誠 社長



 まずFilemakerファミリ価格について説明が有りましたが、これはアナウンスが出ている通りですので省略します。

国内販売についてFileMaker7からはMac OS Xネイティブ(Windowsについても2000/XP)のみとなっているので、しばらくの間はFileMaker 6も併売されます。併売終了時期は未定では有るものの、年内一杯を一つの目処として考えているとの発表です。

 また、これまでのFileMakerは日本語版を別途開発していたものが、FileMaker7よりマルチリンガル製品となる事を受けて、サポート体制についても日本語のみという現状体制を「日本語がメインだが、英語情報も併せて提供する」という体制へ変化させて行くとの事でした。

 サポートと併せて強化されるのはソリューション提供。ファイルメーカー社のWebでサンプルも含めて提供している「ソリューション事例」を今後一層充実させるだけでなく、FSA(FileMaker Solutions Alliance) やITベンダーとの提携をさらに強化して行く事となるようです。また、そのソリューションが現場でどのように役立つのかをユーザーの具体例を挙げつつ示す事で同様案件の導入を支援して行くとの事でした。

 最後は報道関係者とのQ&Aタイム。

ここでは、FileMaker Server 7 のLinux版について「発売する事は決定しているものの、時期などの詳細は未定である」という事と、FileMaker Developer 7のパッケージについてアメリカではMacOS&Windowsのハイブリッド収録されているがシングルライセンスという形態であるが、日本ではプラットホーム別に別パッケージとなると説明されました。

トータルで1時間ほどの短い時間では有りましたが、MacOSユーザーにとって最も身近なDBであるFileMakerが著しいジャンプアップを果たし、非常にパワフルなDBになった事が良く理解出来る発表会でした。




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Report:Joe Murakami・Michio Higashi