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Mac Treasure Tracing Club

November 2002 MACお宝鑑定団 
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2002年11月19日,20日にセルリアンタワー東急ホテルで開催された「Macromedia DevCon 2002 Japan」に関するレポートです。


セミナーレポート

・「Mac OS XがもたらすWebソリューション / アップルコンピュータ株式会社」

最初に、このセッションついての説明がありました。「Mac OS XがもたらすWebソリューション」という事で、AppleのWebObjectsというWebアプリケーションサーバの開発運用ツールの紹介、とりわけ、先日バージョンアップした変更点につい て説明してくれるそうです。さらに、WebObjectsデベロッパーのインスピレーション様から、非常に優れた「INSPIRE」というツールについ てのご紹介もあるそうです。

まず、アップルコンピュータ株式会社 プロダクトマーケティング サーバ製品担当 鷲滝薫 氏が壇上に上がりました。

はじめに、Webアプリケーションの現状について。Webアプリといえば、これまではイーコマースやポータルサイト、情報提供サービスなどの大掛かりな システムでしたが、急激なインターネットの普及により、あらゆるシステムにWebアプリベースの転用が始まっているそうです。アップルは次の二つの分野 にWebアプリ製品を提供していきたいと考えているそうです。まず、昔にCOBOLなどで書かれていた業務系のシステムがどんどんWebベースのシステ ムに移行しており、こういった大企業向けに。さらに、最近増えてきている、Webサーバの導入に積極的な中小企業やSOHO向けに。こういった環境 で、Webアプリに求められるのは、インターネットの世界は凄く動きが早く、例えば、3ヶ月後、半年後にはコンテンツの変更が迫られてる状態で、また消 費者相手のビジネスでは、消費者のニーズはどんどん変わってきて、いかにそういった変化に柔軟に対応出来るかが重要なポイントではないのではないか?す なわち、開発サイクルをいかに短縮できるか、既存のコンポーネントをいかに再利用するかが非常に重要な要素だそうです。こういった問題に対してのアップ ルからの回答が、WebObjectsだそうです。

WebObjects 5.2はつい先日発表され、12月初頭から出荷予定だそうです。このWebObjectsは7年近い実績があり、これまでに蓄積されたノウハウがたく さんの優れたコンポーネントとなって、最新のWebObjectsにもコンポーネントとして全て提供されているそうです。開発者に対しては、このコンポ ーネントを利用するだけで、コーディングを最小限に抑える優れた開発環境を提供し、さらに非常に柔軟に対応できる運用環境も提供するそうです。

Webアプリケーションの形態は、WebObjectsにおいては2種類あるそうです。

一つ目は、HTMLベースのアプリケーションだそうです。ターゲットのユーザーは、Webブラウザを使って様々な業務を行ったり、色々な情報を見たりす るそうで、この形態の最大のメリットは、クライアント側のアプリケーションの開発がいらないという事です。つまり、プラットフォームにも依存しませんの で、MacでもWinでもLinuxでも、あまりクライアントを意識する必要はありません。さらに、メンテナンス面でも、サーバ側だけで完結するので、 非常に効率良くメンテナンスできるそうです。こういった形態は、不特定ユーザーを対象にした、比較的不可の軽いシステムに向いているそうです。

二つ目は、Javaクライアントアプリケーションとアップルでは呼んでいるそうです。これは、実際にクライアント側にJavaでプログラミングされたア プリケーションをインストールします。こちらの形態は、Webブラウザでは表現できない様な動的なインターフェイスが必要な場合や、負荷の高い処理が必 要で、クライアント側とサーバ側で分散して処理を行ったりする場合に適しているそうです。さらに、Webブラウザを使う場合よりも高いセキュリティを望 めるそうです。こういった形態は、企業内などの特定ユーザーを対象にした、比較的不可の高いシステムに向いているそうです。

次に、WebObjectsの開発方法についての説明がありました。WebObjectsは、

(1)データアクセス
(2)ビジネスロジック
(3)プ レゼンテーションの3層構造となっております。

(1)はJDBC、JNDIデータソースをアクセスするプログラム部分で、(2)はJava Codeで書かれたプログラムだそうです。(3)はWebサービスやWebアプリケーションではHTMLで書かれたユーザーインターフェイス部分 や、JavaクライアントアプリケーションではJavaで書かれたプログラムの部分だそうです。

WebObjectsではこの3つの部分を完全に分割し て開発する事が出来るそうで、例えば、プレゼンテーション部分のみ残して、ビジネスロジック部分を書き換えたり、データベースを置き換えるために、デー タアクセス部分のみ変更したりといった事が、非常に柔軟に出来るそうです。

さらに、基本的なWebObjectsのワークフローの説明に移りました。

(1)データアクセスの部分では、データベースを解析して抽象化し、モデル化します。ユーザー側から見ると、データベースをあまり意識をせずに、抽象化 されたデータにアクセスする事が出来るそうです。なお、WebObjectsの特徴として、SQLコーディングはほとんど必要がないそうです。

(2)ビジネスロジックの部分では、Project Builderなどを使ってアプリケーションの開発を行います。
つまり、実際のロジック部分と、データアクセス部分のデータのやり取りを定義していきます。この(1)と(2)の間で、EOModelerを使ってプロ トタイプの作成を行います。

この後、(3)のプレゼンテーション部分にある、実際のクライアント側のインターフェイスを考えていきます。WebObjects 5.2で新しく追加された機能に、Webサービスがあるそうです。WebアプリケーションやJavaクライアントアプリケーションだけではなく、Web サービスに連動したクライアントアプリケーションの開発・運用が可能となったそうです。

従来の開発環境では、(3)プレゼンテーション部分を当初Webアプリケーションで開発していたのに、Javaクライアントアプリケーションに変更した りすると、(2)ビジネスロジックや(1)データアクセスの部分まで大幅な変更を余儀なくされましたが、WebObjectsではそれらに変更を加える 必要はなく、(3)プレゼンテーション部分のみ変更すれば新しいシステムが構築できるそうです。また、どの部分でもいいそうですが、優れたコンポーネン トが作成出来れば、他のシステム構築でも使えるそうで、こういった部分が開発効率の向上と開発費用の削減に繋がるそうです。日々変化するニーズに柔軟に 対応する事が出来るこの開発環境こそが、WebObjectsの最大のアドバンテージだそうで、TOC(運用コスト)の削減にも繋がるそうです。

さらに、WebObjectsによる運用方法についての説明もありました。

クロスプラットフォームのJavaアプリケーションサーバには基本的に対応しているそうです。つまり、WebObjectsで開発したアプリケーション を、WebObjects上だけではなく、他社製のJ2EEベースもしくはJ2SEベースのアプリケーションサーバで運用が可能だそうです。また、組み 込まれたクラスタリング機能も強力で、ロードバランス(負荷分散)やセッション管理、アプリケーションの自動再起動などの機能が搭載されているそうで す。また、運用環境としてリモート運用管理ツールも用意されているそうです。加えて、WebObjectsには無制限の運用ライセンスが含まれています ので、開発終了後にすぐに運用に取り掛かれるそうです。

もちろん、実際の採用事例としまして、国内外の様々な企業に採用されておりますが、アップル社内でも積極的に採用されており、社外から見えるものとしま して、Tech Info LibraryやAppleStore、.macなどで、アップルにとって重要な社内システムはすべてWebObjectsで運用されております。

続いて、WebObjects 5.2の製品についての説明がありました。価格は72,800円で、無制限の開発・運用ライセンスが付属しており、シングルCPUでもデュアルCPUで も価格は同じだそうです。時折、あまりにも価格が他社製品と比較して安すぎるために、心配して不安で使えないというお客さんがいるそうですが、6年以上 での運用実績があるので、どうぞご安心してお使い下さいとのご説明がありました。システム要件は、開発環境はMac OS X 10.2.2以降、Windows 2000 SP3以降で、運用環境はMac OS X Server 10.2.2以降、Windows 2000 Server、Solaris。WebObjects 5.2からは他社製のアプリケーションサーバを正式にサポートしたそうです(Apache Tomcat、BEA WebLogic、IBM WebSphere)、おまけに、運用にはアップルの1UサーバであるXserveをオススメしますとの事です。

この後、アップルの方からWebObjects 5.2についての実演デモがありました。新しく追加されたWebサービスをできる限りコードを書かずに作成する実演を披露してくれました。ツールに関す る詳細な説明は省いて、いきなりProject Builderを使っておよそ20分で、キーワードからFlashのムービーを検索する簡単なWebサービスを構築してくれました。

次に、株式会社インスピレーション 代表取締役 永山 辰巳氏が壇上に上がりました。
(注:この方は、日産自動車でオフィシャルWeb、羅針盤を6年にもわたって開発されていた方です)

12月2日からリリース予定の「Inspire1.5」についての紹介がございました。これは、WebObjectsで開発されたWebサイト構築支援 ツールだそうです。

まず、「Inspire」という製品についての説明がありました。このツールを開発するまでにおよそ12年研究してきたそうで、元々は知識の構築の研究 からスタートしているそうです。「Inspire」のコンセプトは、個人ベースからポータルサイトまで全てカバーして、Webサービス一式を用意してい るそうです。構造化されたドキュメントというのが特徴だそうで、これがWeb化されると非常に大きな情報空間を持つそうです。さら に、「Inspire」 によって作り出されたWebは、全て連動しており、その中に含まれているコンテンツが連動しているそうです。 この考え方を広げていくにあたって、昨年の4月8日からVividCar.comという輸入自動車のための情報提供サイトの構築を続けているそうです。

公開当初は数ページだったそうですが、1年半運用の結果、Webサーバ内部では3,500ページ、公開部分も3,000ページに達しているそうです。こ れを編集しているのは僅か2人しかいないそうで、毎日多い時で10程度のコンテンツが追加され、全体の構造を変えるのもほぼ一人で再構築する事が可能だそうです。

「Inspire」で作成されたWebのコンテンツは全てオブジェクト化されているそうです(Webコンポーネントと呼んでいるそうです)このオブジェ クトを使う事で、開発を小さくする事で、ページ全体を設計するのではなく、情報の単位、本当に小さな単位で再設計が可能となっております。つまり、ペー ジにコンポーネントを追加するだけで、ページの中に新しい表現力やコンテンツの連動性などを増やす事が可能だそうです。さらに、Webサイトのリンクに 対して何らかの意味を持たして、URLを使わないリンクを実現するそうです。さらに、ドメインに依存する事なく、表現ができないか、ドメインがトップで はなく、コンテンツトップに出来ないのか?と考えているそうです。

概念の説明では正直、ピンと来ませんでしたので、「Inspire 1.5」デモを見たら分かりました。

通常Webサイトを制作する際には、文章と画像をHTMLを使ってツールやエディターで組み立てて行きますが、 デモで見せられたVividCar.comでは「Inspire 1.5」ではWebブラウザ上でアクセスし、ブラウザ上に表示された、フォーム形式のテンプレートに、タイトルなどを入力後、テキストを段落毎に入力し ていくだけでした。

まず、日付を入力するそうです。これが、非常に大事だそうです。この後、[セーブ]をクリックして保存しますと、この記事を作ったページのフォルダの整 合性(雛形・テンプレート)が継承されております。

次に、ライターを選択しますと(永山氏が選択されました)プレビューを見ますと、名前と永山氏の顔写真が表示されました。なお、永山氏の名前をクリック しますと、永山氏がこれまで作成してきた記事の中に、現在作成されている記事が表示されております。

さらに、フォーム形式のテンプレートに、タイトルを入力後、テキストを入力しました。これをプレビューしますと、最初の1ページが作成されました。さら に、画像を貼り付けてプレビューしますと、それがテキストの横に画像が表示されました。段組みなどは自動で行われております。

ここで永山氏がおっしゃりましたが、これまでの「Inspire 1.0」はテンプレートのお化けで、80以上のテンプレートが用意されているそうです。けれども、「Inspire 1.5」では、テンプレートすら自分たちで作成していく様に変更されているそうです。

そして、作成した記事を、別のフォルダに移してプレビューしますと、見事にそのフォルダのテンプレートに変更されて表示されました。

最後に、「Inspire 1.5」に関しましては、無償で提供できないかと考えているそうです。これを作って構築したWebサイトに関しては、サービスインしたり、クライアント にソリューションとして提供した時のみロイヤリティを要求する、といった方法を考えているそうです。また、払うお金がないけど、他に便利なコンポーネン トを作成してくれたりしたら、無償で提供してあげるといった、昔のUNIXの開発方法の様な提供方法が実現できないのか、とも考えているそうです。もし 「Inspire」を一緒に開発してくれる人がおりましたら、ご連絡下さいとの事でした。(注:詳細につきましては、VividCar.comの裏サイトをご覧ください)

参考:Macromedia DEVCON 2002 JAPAN 講演資料 (PDF)


展示会場レポート

・アップルブース (プラチナスポンサー展示会場)

 Mac OS X対応 Directorについて、Appleブースでの常時展示を予定していたものの急遽中止に変更となったという事で、展示内容を書いたパネルに"Macromedia Director (参考出品)"の文字を残すのみでとなっていました。

この為に、アップルブースは開発者向けにサーバとMac OS X (Flash, Fireworks, Dreamweaverの動作デモ)のプロモーションをするのみとなっています。

apple001.jpg apple002.jpg

Xserve, Mac OS X Server, WebObjectsなどを展示しているAppleブース。Macromedia MXとは関係無いような気もする...

残念ながら予定されていたDirectorの常時展示はなし

・デジタルステージ社 (ゴールドスポンサー展示会場)

 「LiFE with PhotoCinema」 は見た目で分かるように、インターフェイスとして Maciromedia Director を利用している為に現状はMac OS X非対応。しかし、Mac OS X対応を果たす事は開発ロードマップ上にはきちんと有るので、Directorの正式リリース後となる来年春から夏にはリリースしたいとの事でした。

ちなみに、Mac OS X対応時のアップデート・アップグレードなどの方法については "未定" となっているとのことです。

アクト・ツー社 (ゴールドスポンサー展示会場)

 「Toon Boom Studio Windows版 v2.0」の展示を行っていました。ToonBoomはMac版からの開発が始まったにも関わらず、バージョンナンバーとしてはWindows版の方が先行しているというのが現状ですが、この状態も「年内には何らかの発表が出来るかも知れない」という状況との事でした。

 また、Macromediaのエンタープライズアプリケーションサーバ製品となる 「Cold Fusion」の国内有数のデベロッパでも有る同社。MacromediaのMXワールドをMacOSのシステム内で完結させられる方法を現在模索中であり、こちらについても近日発表出来る可能性が高いようです。



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