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Adobe CS3

2007年9月12 - 13日に大崎ゲートシティで開催された「The InDesign Conference: 東京」に関する特集ページです。


13日(B-4)セミナーレポート


13日セミナーレポート(B−4)

・PDFワークフローの極意
赤羽紀久生@JPC理事長(グラファイン)



赤羽氏は、8月に出版された「PDFプロフェッショナルブック」の制作過程を説明する形で、InDesignワークフローの説明を行った。



この本は、InDesignでテキスト入力を行い、デザインの後、PDF/X-1a書き出しを行って印刷に回していると説明した。

画像データは、Adobe RGB画像を一括してCMYKに色変換しており、すべてのやり取りはPDF&アクロバットのみで行っていたと説明した。



また、校正出力は10数ページのみに留まり、他はディスプレイでソフトプルーフ処理し、CMSはPX−5500&interーGraphics、校了したPDF/X-1aをActiveAssetsにアップし、編集者の指示で印刷会社がダウンロードするワークフローで、大幅な時間と費用面でのコストダウンが計れていると説明した。

実際のデータを例にとり、表示用のPDFは透明を残したままで保存していると説明した。当初は、 PDF/X-4による作業を行う予定だったが、PDF/X-1aによる作業となったと述べた。なお、どうしてそうなったかについては、詳しい理由は説明されなかった。



InDesignでマスターを8種類つくり、段落スタイルも用途に合わせて制作した。色もスォッチで管理し、さらにCS3からオブジェクトスタイルというIllustratorのグラフィックスタイルのような設定が出来るようになったので、それらも利用したと説明した。

背景はIllustratorデータのリンクを貼ってあり、Illustrator上ではテキストデータのままグラフィックスタイルをかけているので、グラフィックスタイルも、文字も変更することが出来ることをデモを交えて紹介した。

PhotoshopデータはCS3からスマートフィルタという機能が付き、フィルター掛けが、後から修正出来なかったのが、出来るようになったので、今までできなかったぼかしなども、あとで数値を変更出来るようになったことは大変便利だと説明した。

X-1aの書き出しについては、デフォルトでも問題はないが、プリセットを選ぶことによって、細かな設定もできると説明した。また、Adobe Acrobat 8 Professionalの機能の「文章の比較」(Acrobat 5.0から搭載) を使い、ファイルが2つ開いていれば勝手に比較し、変更されているページを教えてくれるので、校正の見落としなどが少なくなったことを紹介した。

PDF/X-1a保存というのは透明を使ってはいけない仕様で、当然、ドロップシャドウやグラデーションなどは、分割・統合によって透明がない状態のPDFに書き出す必要があった。PDF/X-4の出力時間は場合にもよるが、PDF/X-1aの半分ぐらいであるので、 PDF/X-4も利用すると合理的に作業が進められるはずだと説明した。



最後に赤羽氏は、InDesignを使ってもワークフローをかえなければ意味がない。いったいいつまで非効率を続けるつもり? だと来場者に投げかけて講演を終えた。


松久剛(大日本スクリーン)



今までは、透明を分割せずに演算できるRIPはなかった。IllustratorやInDesignで透明を使ったとして、RIP側に渡す際に、透明のように見える透明でないオブジェクトに変換する必要があったと説明した。



透明の分割統合について、やはり、PDF/X-1a運用では重要は重要な作業であり、特にオーバープリントによるトラブルが多いと説明した。

一口にオーバープリントといっても、オーバープリントオンを日本語で「ノセ」 と呼び、オーバープリントオフは「ケヌキ」と呼び、透明は、特殊なオーバープリントだと説明した。



特色の透明がオーバープリントで出力される場合、制作側で特色指定+製版側でオーバープリント無視とする。しかし、完全データのつもりが不完全データである場合が多いと述べ、また、スォッチは本来特色を指定するためのもであり、むやみに増やすとエラーの原因となると説明した。



Adobe PDFPrintEngineとPDF/X-4による運用について、X-1aの場合は、透明が分割され、フォントが画像に置き換えられるため、太くなることがあったが、そういった問題が解消されると説明した。また、透明部分を分割するため、透明部分がおかしくなったが、その心配が減ったと説明した。



PDF/X-4でも注意が必要なこととして、特色指定は正確に。白のせは行わない。オーバープリントが透明に。などを上げ、デザイン・制作側は正しいデータ作成を、印刷・製版側はデータ通りの出力をといったトラブル回避の原則は変わらないと説明した。



実際のデータを元にした比較につて、今回、アドビ システムズ社と大日本スクリーン社とで制作したパンフレットがあり、それをポストスクリプトだと769MB、PDF/X-1aだと188MB、PDF/X-4だと50MBというデータ容量となったと紹介し、透明がたくさん使われても要領が小さくなることを説明した。



また、PDFの規格違いと、RIPの違いによる処理速度の違いについても説明した。

このように、メリットが大きいが、透明をPDFに保持しておくことが重要だと強調した。透明を保持するためには、今までは、ハイエンド印刷用のPDFを作成するにはDistillerで処理をしていたが、Distillerはいったん前データをポストスクリプトにする必要があり、分割統合されてしまうため、透明、レイヤーなどの情報を保持するために、これからは、Adobe CS系ならPDFダイレクト出力のが良いと説明した。



また、Illustratorデータを貼り込む場合、EPSファイルにすることが多かったが、EPSはポストスクリプトであり、透明保持は不可なので、InDesignに貼るときはIllustratorネイティブの方式で保存するのを基本とすると説明した。

最後に、松久氏は、ポストスクリプトをいっさい使わないワークフローを導入してゆきましょうと述べ講演を終えた。


13日セミナーレポート(A−6)

・実証・InDesign移行後のエディトリアルデザイン現場
菊池美範(エイアール)



現在、菊池氏の会社では、雑誌、ムック、書籍、カタログ等年間合計約16,000ページのデザインをほとんどInDesignで行っていると説明した。



8年前の1999年当時に受注していた雑誌、ムック、書籍、カタログのエディトリアルデザインはQuarkXPressによる制作がほとんどであった。それがInDesignに取って代わられた経緯を、同社の歴史を振り返る形で紹介した。

2001年 InDesign 草創期:まだ試験的導入の時代で、入稿実績はわずか1%以下だった。InDesignの理想に環境がついていけない時代と呼べ、マシンスペック、編集、デザイン、オペレーション、出力のリソースすべてが不足していた。



2002年 InDesign 揺藍期:InDesign1.0から2.0へ、導入実績が少しづつ増え、出力環境が整い始めた。InDesignの入稿実績は10%以下だった。InDesign2.0の時代となり、作業環境が現実的なものとなりつつあった。全面移行ではないものの、誌面や別冊など、クライアントが一部をInDesignに切り替えることを了解し、興味を示すようになった。



2003年 InDesign 停滞期:InDesignへの移行に足踏みとなった年で、導入に躊躇するクライアントが続出し、QuarkXPressへ一部逆戻り状況が発生したと説明した。入稿状況は10%強で、InDesignで提案したページデザインのフローが覆され、とても苦しかった時期だったと振り返った。それでもPowerMac G5がリリースされたことで、Mac環境でのInDesign環境が劇的に向上したことが好機となりつつあったと説明した。



2004年 InDesign成長期:強力な、Mac OS X v10.3 "Panther"、PowerMac G5、InDesign CS 日本語版という強力な環境が整い、移行に拍車がかかった年だったと述べた。入稿状況は30%となり、QuarkXPressと「併用」しようという風紀が出来てきた。本格的な移行が始まり、デザイナーはInDesignとQuarkXPressを戸惑いながら併用していた時期だったと説明した。また、InDesignへ全面移行する雑誌や書籍が多くなってきたものの、踏み切れない編集部もまだ多かったと述べた。



2005年 InDesign急成長期:InDesign CS2 日本語版が登場し、InDesign比率が全体の5割となり、新規案件もInDesignが多数を占めるようになったと述べた。デザイナーは、InDesignでの仕事に高レベルで対応出来るようになり、軸足が移った年といえると述べた。同社では、QuarkXPress6を導入開始したものの、入稿実績はこれ以降も全くない状況が続いたと説明した。



2006年 InDesign成熟期:InDesign比率が全体の8割に達し、InDesignが業務の中心となった年だったと説明した。しかし、派遣会社に依頼するオペレータや、首都圏以外での印刷会社への入稿は、まだ不足感が否めない状況であったと振り返った。



2007年 移行完了期:Intel Mac+InDesign CS3? 日本語版が決定打となり、InDesignへほぼ完全移行し、入稿状況は、QuarkXPressによる入稿状況が1%以下となり、8年前と逆転する状況となったと説明した。なお、QuarkXPressデータは改版や増刷時修正にだけという状況で、新規案件ではないと補足されていた。



■QuarkXPress/IllustratorとInDesignとのページデザイン生産性を比較する■

菊池氏は、InDesign CS3 とQuarkXPress 6.5.1で、同じ内容のページデザインを実際に比較するデモを行い、さくさく感はQuarkXPressがいいと感じるかもしれないが、生産性はInDesignのほうが遥かに上で、比べるレベルにもならないと述べた。

●ルビコントロールと多言語環境のフレキシビリティ



ルビコントロールと多言語環境のフレキシビリティについて説明し、外国語の読みとして下にルビをふりたい場合があるが、QuarkXPressでは上下値の限界があり、文字との接触ができてしまうので、親文字に対して、ルビとしてふるのではなく、フローティングボックスを作る必要があり、非常に効率が悪い。InDesignの場合は、どこまでできるか試したことはないが、かなりの距離をとることができるので、接触しない位置でルビをふることができると説明した。

●Illustrator8以下の環境をInDesignへ



絵本の場合、観音開きがあったり、仕掛けがあったり、歯形が多く、ページが少ないことも多いので、Illustratorでもいいかなと思っていたが、InDesignに移行してみたと述べた。作業は、Illustratorとかわらない。InDesignではあるけど、見開きや、4ページ単位で、単ページで作っていると説明した。

●ページの一覧性と色校正前の細かなコントロール

QuarkXPressとIllustrator8以下を使用した場合で検証してみたと述べ、1ページづつ作るのになぜInDesignがいいのか?について説明され、つながったページを一度に見られる。ページをページを前後で切り替えるとき、確認することができる。写真が多く、写真の上に文字を載せる場合、QuarkXPressだと、プレビューが汚すぎて、色校がでないとわからないが、InDesignだとモニタ上で、かなり近く出せると説明した。また、繋がったページを一度に見られることも利点だと説明した。

●移行のメリットを最大限に(移行の手間がかかっただけとなってはいけない)

InDesignへの移行のポイントとして、QuarkXPressからの資産コンバート。変換データのクリーニング、非互換部分の調整、データの最適化、ノウハウの蓄積とデータベース化、案件によっては変換マニュアルを作成する。などを上げた。



変換のノウハウはデータベース化し( 詳細なガイドラインマニュアルを制作)、新しい人が入ってきても作業が出来るようにしておく必要があると説明した。例えば、QuarkXPressで作成されたスタイルには、InDesign CS3で開くとマークがついているので、読み込みのときに「新しいスタイル定義を使用」を選択する。自動置換しなかったマーク付きのスタイルは手動で置換する。 など、ノウハウ的な部分を、新しい人が入ってきた度に、こういった内容を口頭で伝えていては膨大な時間がかかってしまうので、ガイドラインマニュアルを作り、できるだけ早くIndesign DTPに移行してもらうように教育することが望ましいと説明した。



現場での課題として、InDesignでも完璧ではないと述べ、無線綴じ雑誌の背幅は校了間際にサイズ変更となることがあり、「書きトンボ」だと効率が非常に悪い。例えば、ページの大きさが変則的な設定はできないものか?と思ったりする。こういうことから、Illustratorで作られる場合があるのでは?と思ってしまうと述べ、今後に期待したいと述べた。



CS、CS2からCS3への移行については、2004年に導入したシステムのリプレイスが進み、低コストでも移行可能となった。カタログ制作に便利な表スタイルの導入、Mac mini (Core Duo)で十分実用レベル。シームレスになってきた、Photoshop CS3、Illustrator CS3、Brige CS3との連携などにより、プロフェッショナルとしての限界を引き上げる事に繋がっていると説明した。

また、InDesignオペレータが増加傾向となり、DTP/印刷/出版/デザインの現場ではオペレータを派遣会社に頼っているケースも多い。しかし、現実にはInDesignに関しての練度が高いオペレータは不足している。こういった現状を解決するために、派遣会社によるInDesignオペレータの育成(例、テンプスタッッフ・テクノロジー)がはじまりつつあると説明した。



最後に、菊池氏は、エディトリアルデザインは決してレガシーな存在ではない。QuarkXPressからの移行は既に待ったなしの局面に。Illustrator DTPからの移行はページデザインの概念をかえることからスタートする必要がある。と強い口調で述べ講演を終えた。


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